投資対象としてゴールド(金)を保有している人はあまり多くないだろう。しかし、「ゴールドが近い将来最も有力な投資先の1つになる」と提唱するのは、YouTube再生回数1億回を超える人気投資家の高橋ダン氏だ。著書『ゴールド投資──リスクを冒さずお金持ちになれる方法』では、ゴールドに投資する根拠から投資の実践方法まで余すことなく語った。本稿では、特別に本書から一部を抜粋・編集して紹介する。

ゴールド投資Photo: Adobe Stock

1つだけの指標に頼らない

 絶対に勝てる万能なチャート分析はありません。私は、常に複数の指標をあわせて見ながら、判断しています。

 ここでは私が使っている指標を例にして、金価格のチャートについての基本的な見方をお話しします。

 私が常に確認している指標は、「MACD」「RSI」「ボリンジャーバンド」です。

RSIで「買われすぎか、売られすぎか」を判断する

 RSI(アールエスアイ)は、今の価格が買われすぎか売られすぎかを示す指標です。

 パラメーター(期間)は14に設定するのが一般的です。

 見方はシンプルで、RSIの線が半分(50)より上にあるときは買い手の力が強く、下にあるときは売り手の力が強いことを示しています。

 そして、上(100)に近づくほど過大評価されている確率が上がり、下(0)に近づくほど過小評価されている確率が上がることを示しています。

 一般的には、70を超えたら買われすぎと判断され、逆に30を下回った場合は売られすぎと判断されます。

 価格は常に上下を繰り返しますので、一方的に買われ続けることもなければ、永遠に売られ続けることもありません。

 その前提に立って、買われすぎたときは反発して値上がりに転じ、売られすぎたときは反落して値下がりに転じると予想できるわけです。

 では、チャートを見てみましょう。

高橋ダン式RSI分析の極意

ゴールド投資出所: TradingView https://jp.tradingview.com

 コロナショック時のRSIを見ると、30まで下がっていることがわかります。また、その後の上昇トレンドで2000ドルを超えたときは90まで上がっていることがわかります。

 この数値を見ることにより、反転を狙った逆張りのエントリーが準備しやすくなるわけです。

 ただ、相場が荒れているときなどはRSIの動きも荒くなり、70以上、30以下に入ることが多くなります。

 金価格が2000ドルに向かっている局面を見ても、1900ドルを超えたときにRSIは70を超えていますが、その後もさらに価格は上がり、RSIは90まで上がっています。

 一般的なセオリーで70のときに空売りをしていたら、そこから100ドル分以上の損が出たということです。

 私の場合は、70や30のラインよりも、「RSIの向きが上向きか下向きか」「中間点である50を抜けたかどうか」に着目して、価格の方向性を予想する根拠にしています。

(本原稿は『ゴールド投資──リスクを冒さずお金持ちになれる方法』からの抜粋・編集したものです)