貿易写真はイメージです Photo:PIXTA

 新型コロナウイルスの感染が止まらず経済活動が制約される中で、輸出の増加が日本経済の下支えになっている。とくに対中輸出の増加が著しい。

 米中貿易戦争では中国の対米輸出が減り、アメリカの対中貿易赤字は減少した。しかし、アメリカの対世界輸出は2020年には減少、貿易収支全体の赤字はむしろ拡大した。

 その半面で中国の対世界輸出は増え貿易黒字が拡大した。

 中国は世界の工場としても市場としても、存在感を一段と強めている。そうした中で、民主主義諸国はバイデン政権の対中強硬策に協調できるだろうか?

1~3月期成長率はマイナスだが
対中輸出が日本経済を支えている

 5月18日に発表された21年1~3月期の国内総生産(GDP)速報値によると、季調済み実質GDPは前期比1.3%減(年率5.1%減)となった。前年同期比では1.9%減だ。