ドル紙幣Photo:PIXTA

 ワクチン接種が急ピッチで進む米国では今年のGDP(国内総生産)成長率は6%台まで高まると予想されている。

 経済の急回復によって4月の消費者物価指数は前年同期比4.2%増と2008年9月以来の大幅な伸びになった。

 FRBの政策転換が早まるとの観測から金利は上昇、緩和マネーが流れ込んでいた株式市場は上昇にブレーキがかかった。

 それでも米国経済はこのまま「6%成長」に向かって突き進むのか、「死角」がないわけではない。

消費者物価の急上昇で
株価上昇にブレーキ

 5月12日に発表された4月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比4.2%増まで伸びを高め、12年7カ月ぶりの大幅な物価上昇になり、インフレ懸念が一気に強まった。

 コロナ・ショックで昨年大きく落ち込んだガソリン価格が前年比で25%も上昇した影響が大きいが、ガソリンを含むエネルギーや食料品を除いた「コア」消費者物価も、3月の前年同月比+1.6%から4月は+3.0%へ上昇が加速している。