米カリフォルニア州のディズニーランドPhoto:aronP/Bauer-Griffin/gettyimages

東京ディズニーシー(TDS)に2019年、新アトラクションができ、東京ディズニーランド(TDL)には20年9月、過去最大の750億円を投じた新エリアとアトラクションがオープンした。21年以降も、国内外のディズニーパークで、新アトラクションが続々とオープンする。世界中のテーマパークがコロナ禍で大きなダメージを受けたが、ワクチン接種が進行する国や地域では、徐々に復活をとげようとしている。そして、23年にはTDSの新テーマポートに注目が集まることは間違いない。そこで、国内外のテーマパークの最新アトラクションおよび今後の開発動向を考察する。(桜美林大学教授  山口有次)

アナ雪とラプンツェル
ピーター・パンには期待したい

 2020年9月、TDLに登場した新アトラクション「美女と野獣“魔法のものがたり”」は世界初のオリジナルである。映画の名曲に合わせて踊るように回転して動く魔法のカップに乗り、映画の名シーンを巡ることができる、すばらしい出来栄えだ。ただし、受動的な参加体験であり、革新的な要素は見られない。TDSに19年オープンした「ソアリン:ファンタスティック・フライト」は、2001年から海外のパークにあったアトラクションの日本版であり、目新しさはない。

 4月1日、TDLの新エリアに登場した「ファンタジーランド・フォレストシアター」(約1500人収容)で新たなショー「ミッキーのマジカルミュージックワールド」が始まった。世界でここだけのオリジナル・ストーリーであり、プロジェクションマッピングや回転する舞台装置を駆使している。だがこれも斬新さはない。

 23年度には、TDSで八つ目となる新テーマポート「ファンタジースプリングス」が誕生する。ここに『アナと雪の女王』『塔の上のラプンツェル』『ピーター・パン』をテーマにしたエリアとアトラクションが登場する。これらへのファンの期待は極めて大きい。世界初のオリジナルであるだけでなく、最新技術を駆使した「次世代モデル」であってほしいと願うのは筆者だけではないはずだ。

 というのも、海外のディズニーパークでも最新アトラクションが続々と登場しているが、それらには目を見張る革新的な要素が加えられている。