続・パナソニックの呪縛#1坂本俊弘・元副社長らパナソニックOBの植民地と化した企業による「乗っ取り」計画が進行している。写真は、2008年に坂本氏(パナソニックAVC社ネットワークス社社長。当時)が米家電見本市で世界最大のプラズマテレビをアピールしたときのもの。 Photo:David Paul Morris/gettyimages 

6月24日にパナソニック9代目社長に就任する楠見雄規CEO(最高経営責任者)。その楠見次期社長に頭の痛い問題が降りかかっている。パナソニックOBによる「上場企業の植民地化」計画が進行しているのだ。しかもその標的となった企業とは、楠見家と深い関係にある。特集『続・パナソニックの呪縛』の#1では、パナソニック次期社長の頭を悩ませる騒動の内幕を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)

パナソニック次期社長が
無視できない「一通の書簡」

 「この度は、パナソニック株式会社様の業務委託先であるTCSグループ様(以下、TCSと呼びます)より弊社宛てになされた株主提案に関して、楠見様にお願いがあって本書面をお送り申し上げました。」

 丁寧な書き出しから始まる一通の書簡。これは、5月27日付で、大型コンベアメーカーである一部上場企業のNCホールディングス(以下NC)の梶原浩規社長から、パナソニックの楠見雄規CEO(最高経営責任者)宛てに送られたものだ。

 書簡は、楠見CEOに加えて、パナソニックの津賀一宏社長、三島茂樹・執行役員(チーフ・ヒューマン・リソース・オフィサー)、冨山和彦・社外取締役(経営共創基盤〈IGPI〉グループ会長)、佐藤義雄・社外監査役(住友生命保険取締役会長)の4人にも同時に発送された。

 パナソニックでは、6月24日の株主総会を経て、楠見CEOが9代目社長に就任することになっている(特集『パナソニックの呪縛』の『パナソニック新社長、「ミニ津賀・人望なし」の前評判を覆す“確信犯的”破壊者の素顔』参照)。楠見新体制が発足するこのタイミングで、楠見CEOが無視できないであろう“厄介な事案”が舞い込んだ。

 この書簡の中身は、楠見「新社長」の門出を祝うものでも、パナソニックとの取引拡大を要望するものでもない。一体、どのような“お願い”がつづられていたのだろうか。