大学#18

特集『入試・就職・序列 大学』(全23回)の#18では、実力、人気共に関西トップ私立大学群である“関関同立”(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)を五つの独自指標で徹底比較!関西の私立大学では同志社大学が頭一つ抜けている印象が強いがその実態は?(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)

*特集『入試・就職・序列 大学』では日本を代表する私大14校、早稲田・慶應義塾・上智・東京理科・学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政・関西・関西学院・同志社・立命館大学をピックアップ。人気・実力を測るべくレーダーチャートで比較している。#14「早慶上理」編は配信中、#21の「GMARCH」編は7/2配信予定)

関関同立“最弱”も
入試倍率に強みの関西大学

 関西私立大学Aグループといわれる関関同立(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)の中で、残念ながら最下位が定位置となっているのが関西大学だ。特に偏差値は、関関同立はもちろん14私大の中で最も入りやすい。

 しかし、関西私大Aグループの末席が故の強みがある。それは入試倍率だ。関関同立の中では他の3大学が軒並み2倍台なのに対し、関大のそれは4倍を超える。その理由は、関西私大Bグループといわれる産近甲龍(京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学)の志願者層のチャレンジ校として、片や、国公立大学やその他関西私大Aグループの志願者層の確実に受かっておきたいすべり止め校として、それぞれのニーズのクロスポイントに関大がなっているからだ。

 コロナ禍の逆風が吹いた2021年度入試の志願者数(一般入試+共通テスト)でも、前年度比で関関同立で2番目に減少幅が小さい9.3ポイント減に踏みとどまった。

 また、今年3月の卒業生の就職も堅調だった。就職希望者の就職率は97.8%(学部のみ)と前年比で1.1ポイント増。大学院進学者を除いた全卒業生を分母とする就職率も88.7%と同3.4ポイント増だ。今年度の就職状況はさらに好調だ。5月1日段階での内定取得率は51.3%で、前年同月比で5.6ポイント増となっている。

 続いて、コロナ禍における授業の方針は、原則として対面重視といえよう。関大では昨年9月21日以降、大教室の科目を除いて原則対面による講義に切り替え、科目数ベースで約93%の講義が対面で行われた(今年度は4月の大阪府の要請によって再びオンライン講義に切り替え)。

理系再編の関西学院大学
志願者数は独り勝ち

 その校風や就職力から「西の慶應義塾大学」ともいわれる関西学院大学。その強みは、グローバル教育だ。14年にスーパーグローバル大学(SGU)に採択されたこともあり、関関同立では2位につける。

 一方、関学の弱点はこれまで、志願者数が減り続けていたことだ。ところが21年度入試では、コロナ禍で他の関西私大Aグループ各大学が軒並み志願者数を減らす中、関学は逆に1.2ポイント増に転じた。何故なのか?