ひろゆきが教える「メンタルがやられないクレーム対処法・ベスト1」ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

現在、テレビやYouTubeで圧倒的な人気を集める、ひろゆき氏。
24万部の大ヒットを記録しているベストセラー1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして、いかに彼が今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。

「感情移入」をしたら負け

――営業の仕事をしている人でメンタルを病んでしまった人がいます。クレーム処理が苦手だったようなんですね。

ひろゆき氏:なるほど。営業スキルが高い人って、意外と「クレーム対処」に弱いことが多いです。それは、営業のときは傾聴して親身に話を聞くことで相手に気に入られたり、ニーズを掴み取ってきたからで、その方法をクレーム相手にも当てはめてしまうからです。

――同じモードで話を聞いてしまっているんですね。

ひろゆき氏:はい。だから、クレーマーの話をよく聞いて、相手に感情移入したり、気持ちを汲んだりしてしまっているんです。そんなことを1人1人に誠実におこなっていたら、そりゃ、心を病んでしまうのも無理はないでしょう。

――どうすればいいんですかね?

ひろゆき氏:僕もクレーム処理のアルバイトをしていたことがあるんですが、すごく得意だったんですよね。

 クレームのコツは、たった1つです。「まったく別のことをしながら電話を受ける」ということです。本を読んだり、パソコンで作業したり、絵を描いたり、なんでもよいです。とにかく、相手の話を100%受け止めず、別の作業をやりながら半分だけ聞くスタンスでいることです。

話半分で「事実」だけ拾う

――バレませんかね?

ひろゆき氏:音がしてしまうとマズいと思いますが、それさえしなければ、バレたことは一度もないですね。

 じつは、クレーマーの目的は、適切なカスタマーサポートを受けることよりも自分の気持ちを吐き出すことにあります。つまり、ちゃんと話を聞いてくれる人に一方的に話をしたいだけです。

 だから、相手のクレームを話半分に聞きながら、「そうですね」「おっしゃるとおりですよね」と相槌を打っていれば、やがて相手の怒りが収まって、こちらの話を聞いてくれる態勢になります。それまでは、別のことをしながら待つことが得策です。

 ちょっと聞き流していても、要点だけは頭に残っているはずです。その事実だけを拾うようにして、相手が感情で発する部分はスルーするのがポイントです。

――なるほど……。なんかできそうな気がします。

ひろゆき氏:別のことに頭を切り替えるのがいいんですよね。たとえば、クレームを聞いているときに、相手が「英語を何回言うか数える」「何回噛むか予想して当てる」とか、自分でゲームにしてもいいと思います。

 まともなクレームの場合、相手から明確な質問があります。

「○○が壊れているんですが、どうすればいいですか?」など、ちゃんと話を整理してから電話をしてきますから。その場合は、ちゃんと対応すればいいだけです。

 とにかく、クレームを真正面から受け止めて心にダメージを受ける前に、軽く受け流せる方法を身につけることが先です。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、24万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。