序列激変#7Photo:PIXTA

国内には4万2000人以上の弁護士が存在するが、このうち約1万人は1人で事務所を切り盛りする“マチ弁”である。弁護士の増加に伴い、自宅を事務所代わりにする“タク弁”や携帯電話で仕事を受ける“ケー弁”も増えた。特集『弁護士 司法書士 社労士 序列激変』(全19回)の#7では、コロナ不況のしわ寄せを受けている彼らの実態に迫った。(ダイヤモンド編集部 重石岳史)

コロナ禍で弁護士費用を支払えない依頼者急増
1畳の事務所を開設した20代“マチ弁”の現実

「すみません、払えません……」

 目の前の依頼者にそう頭を下げられるのは、もう何度目だろうか。20代の九条守弁護士(仮名)は、やり切れない思いにため息をついた。

 九条弁護士は有名私立大学の法科大学院修了後に司法試験に合格。一般企業での勤務を経て昨年、独立して法律事務所を都内に開設した。法律事務所といっても所属弁護士は自分1人でスタッフもいない。シェアオフィスで間借りするわずか1畳分のスペースが、自分の執務室だ。

 いわゆる“マチ弁”として、個人の依頼者から離婚や不貞、債務整理などの一般民事事件を受任する。そんな九条弁護士は最近、こんなことを痛感している。

「弁護士費用を払えない依頼者が増えた。コロナ禍で庶民の貧困化が明らかに進んでいる」