2010年度から20年度の間の
社会保障給付費における年間平均の伸び

2010年度から20年度の間の社会保障給付費における年間平均の伸び*厚生労働省のデータを基に筆者試算

 先般、国勢調査(2020年)の人口速報値が公表された。日本の総人口は1億2622万人で、15年時点の調査と比較し約86万人の減少となったが、本格的な人口減少はこれからだ。国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」(17年)によると、20年で7408万人であった生産年齢人口(15~64歳)は、40年で5978万人に減少するとされている。

 他方、20年で1872万人だった75歳以上の後期高齢者は、40年では2239万人と見込まれている。その影響が最も表れるのは社会保障給付費の伸びだろう。

 今後の伸びの正確な予測は難しいが、過去の給付費が参考になる。まず、2000年度から10年度の間に社会保障給付費は78.4兆円から105.4兆円に膨張し、約10年間で27兆円も増加している。年間平均2.7兆円の膨張だ。