大手塾で算数講師の経験を積んだ後、算数専門のプロ家庭教師として約20年間、2000人以上のお子さんを指導してきた中学受験専門のカリスマ家庭教師・安浪京子先生は、その経験から「ノートをひと目見ると、その子の学力がわかる」と言います。
ノートとは、思考を整理して、それを自分や相手(採点者)に伝える練習をするための基本の道具。しかし、子どもはもちろんのこと、保護者ですら、ノートの価値を低く見積もっている方が多いそう。6年生でもノートの書き方を知らない子は多く、その状態のまま、受験勉強に励んで伸び悩んでいる子は多いのです。
本連載では、「ノートの正しい書き方を知らずして、学力は上がらない」と断言する安浪先生が、指導の中で必ず教えるノート術を初公開した話題の新刊「中学受験 必勝ノート術」の中から、一部を抜粋し、ご紹介していきます。

ここ20年で、6年生でも<br />「ノートを書けない子」<br />が増えている!

スマホやタブレットの使用が増えて書く機会が減っている!

 家庭教師として約20年間、子どもが「ノートを書くところ」を見てきて感じるのは、「ちゃんと書けない子が増えてきている」ということです。

 漢字のトメ・ハネがいい加減、まっすぐ線を引けない、円が書けないなど、高学年になってもノートを書く基盤となる部分すら身に付いていない子がたくさんいます。

 近年は、小学生でもスマホやタブレットを使うようになり、書く機会が減っています。また、ノートの書き方を習うことは学校でも塾でもほとんどありません(先生の方針次第)。だから、親がノートの書き方を教えてあげないと、子どもは6年生になってもずっと書けないままです。

「自分の頭で考えられる子になってほしいから、ノートの書き方も自分で工夫してほしい」と思われる気持ちもわかりますが、それは小学生にとってかなり高いハードルです。しかも受験という限られた期間内に、やらねばならないことは山ほどあります。

 ノートの書き方を教えることは、勉強の環境を整える一環であり、それは親の役目です。中学受験をする子はもちろん、しない子にとっても、今後の中高大へと続く学力の基盤となる技術です。本書をお読みいただき、ぜひお子さんに教えてあげてください。