本物の経営者を目指す人ほど「古典を読む」べき、納得の理由Photo:PIXTA

渋沢栄一が「日本資本主義の父」として
成功できた理由

小宮一慶・小宮コンサルタンツ代表小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 今回は、「本物の経営者になるために身に付けておくべきことは何か」というお話です。

 NHKの大河ドラマ「青天を衝け」の主人公で日本資本主義の父と評されている渋沢栄一は、本物の経営者といえるでしょうし、私には成功すべくして成功した人に思えます。

 実は、成功するためにはいくつかの条件があります。京セラの創業者・稲盛和夫さんはその条件を「考え方×熱意×能力」という方程式で表しました。この「成功の方程式」のポイントは、「熱意」と「能力」に当てはめる数字が「0から100」なのに対し、「考え方」には「マイナス100からプラス100」があるということです。いくら熱意や能力が高くても、プラス点が取れる考え方、つまり「正しい考え方」を持たない限り、結果は決してプラスにはならない。つまり、成功することはないということです。

 渋沢栄一は、善しあしは別にして、高崎城の乗っ取りや横浜焼き討ちを企てるほどの熱意やエネルギーの持ち主だったし、日本資本主義の父となったのだから能力があることは明らかです。

 では、「正しい考え方」はどうなのか。