世界の「今」と「未来」が数字でわかる。印象に騙されないための「データと視点」
人口問題、SDGs、資源戦争、貧困、教育――。膨大な統計データから「経済の真実」に迫る! データを解きほぐし、「なぜ?」を突き詰め、世界のあり方を理解する。
書き手は、「東大地理」を教える代ゼミのカリスマ講師、宮路秀作氏。日本地理学会の企画専門委員としても活動している。『経済は統計から学べ!』を出版し(6月30日刊行)、「人口・資源・貿易・工業・農林水産業・環境」という6つの視点から、世界の「今」と「未来」をつかむ「土台としての統計データ」をわかりやすく解説している。

アフリカの食料不足を招いた「落花生問題」とは?

落花生とアフリカ諸国の関係

 2019年の落花生の生産量は、中国、インド、ナイジェリア、スーダン、アメリカ合衆国、ミャンマー、セネガル、アルゼンチン、ギニア、チャドが上位国です。

 アフリカ諸国が5ヵ国登場しており、これを生産量上位20ヵ国に広げると13ヵ国も登場します。

 特に、ナイジェリア、セネガル、ギニア、チャド、ニジェール、ガーナ、カメルーン、マリ、ブルキナファソといった西アフリカでの生産が盛んです。

 西アフリカのセネガルでは古くから集落を1ヵ所に集めた集村形態がみられます。セネガルは乾燥気候が広く展開する国であり、水が豊富な地域ではありません。よって水利に恵まれる場所に家屋が集まって集落を形成する傾向があります。集村形態のほうが外敵からの防御に有利でもあります。

 集落の周辺では林地、落花生の栽培地、雑穀の栽培地などの輪作(りんさく)を行っており、それは地力の低下や連作障害を防ぐことが目的です。

 1つの農作物を同じ場所で栽培を続けると、農作物に害を及ぼす病原菌や有害線虫が多くなったり、土壌中の養分が不足して生育が悪くなったりします。

 そのため、毎年場所を変えて栽培を行う輪作によって対策を講じるのです。