お金持ちはどんな行動パターンと思考様式を持っているのか?
お金持ちだけが知っている、真の豊かさの正体とは!?

お金持ちがしている100の習慣』ではそのような疑問に答える「お金持ちの行動パターンと思考様式」を解き明かしています。著者は国際的に活躍するイギリスのコーチング第一人者であり、数多くのクライアントにコーチングをおこなってきました。成功者の習慣についてまとめた『成功者がしている100の習慣』は6万5000部突破のベストセラーとなっています。
本書では、その経験から導き出したお金持ちに共通する100の習慣を紹介しています。
「あなたはなぜお金持ちになりたいのか」本書のアドバイスはこの問いからはじまります。しっかりと目標設定をし、紹介されている習慣を実践することが、お金持ち、そして真の豊かさへの近道です。
この連載では、本書に紹介されている100の習慣を特別に抜粋し、お金持ちになる人、ならない人の思考や行動のパターンを解明。習慣のポイントだけでなく、どのように実践すればよいか、ワークなどをまじえ具体的な方法を紹介します。

お金持ちになる人は「大切なものを手放すタイミング」を知っているPhoto: Adobe Stock

お金持ちになる人は手放すべき時を知っていて、
お金持ちにならない人は思い入れに縛られる

「思い入れがあるからといって、いつまでもそれにしがみついていてはいけない。手放すべきものは手放そう。もちろん、どうしても大切なものは売り払う必要はない。だが、未練を断ち切るべきものはたくさんあるはずだ」

以前から持っているものに執着してしまうのが人間です。これは、投資にも当てはまります。私たちは、何年も前から投資をしてきたものをなかなか手放そうとしないのです。しかし、いくら自分にとっては大切だと思えるものでも、必ずしもそれに見合った価値があるとは限りません。投資家は、何かを手放すことをためらってしまいがちです。しかし投資では、感情的に執着しすぎてしまうのは禁物なのです。

私の祖父は、イギリスのヨークシャーで何十年も食料品店を営んでいました。それは彼がゼロから立ち上げた商売でした。そのため、スーパーマーケットがあちこちに出店してこのビジネスが衰退する兆しが見えていたにもかかわらず、好条件で店を売ってほしいという申し出を断っていました。最終的には店を売りましたが、早めに売っていたら手にできていたはずの数分の1の額のお金しか得られませんでした。

人間なら、思い出が詰まった資産に感情的に執着してしまうことはあるでしょう。それはある意味でしかたがありません。しかし、あまりに執着しすぎると、大きな損失につながってしまいかねません。感傷的になりすぎるべきではないのです。

お金の格言
「ふさわしい時が来たら、大切なものを手放すことも考える」

実践しよう

■感傷的にならない
保有している不動産や株式、親などから引き継いだ事業に、あらためて目を向けてみましょう。

それぞれを手にした理由を考え、「なぜこれらをまだ保有しているのか?」を自問してみましょう。

・初めて就職した会社の株を、いまだに持っている。
・両親が描いた夢を終わらせたくないから、引き継いだ家業を続けている。
・強い思い入れがあるために、赤字の不動産に多くの資金を注ぎ込んでいる。

もちろん、思い入れがある資産や投資物件をすべて売る必要があるわけではありません。それらの資産や投資物件に、十分な価値があればまったく問題はありません。問題は、思い入れがあるという理由だけで、価値のないものを保有していることなのです。もしそういう資産や投資物件を保有しているのなら、売却を検討しましょう。

■冷静に判断する
人間ですから、モノに対する思い入れや愛着があって当然です。しかし、それらがあなたの資産を減らす原因になっているのであれば、放置しておくべきではありません。経済的な目標を満たすことの重要性と、過去の思い入れを保つことのどちらを優先すべきか、よく考えて答えを出しましょう。

(本稿は、ナイジェル・カンバーランド著、児島修訳『お金持ちがしている100の習慣』を抜粋、再構成したものです)

ナイジェル・カンバーランド(Nigel Cumberland)
作家、リーダーシップ・コーチ
1967年、イギリスのヨーク生まれ。ケンブリッジ大学卒業。世界最大級の人材サービス会社Adeccoや世界3大ミシン糸メーカーCoats plcで財務部長を務めた。シルクロード・パートナーシップの共同創立者。ロンドンとドバイを拠点に、同社を通じて企業幹部を対象にリーダーシップ・コーチングやメンターリングをおこなう。ハーバード大学メディカル・スクール付属コーチング養成機関の創立研究員でもある。これまで香港・ドバイ・ブダペスト・サンチアゴ・上海・ドバイで暮らし働いた経験から人生で成功するヒントを得た。これまでに出版した8冊の著書は、ドイツ・中国・ポルトガル・スペイン・ロシア・チェコ・スロバキア・ルーマニア・ドバイをはじめとする中東諸国・ブラジルなどの各国で翻訳されている。『成功者がしている100の習慣』(児島修訳、ダイヤモンド社)が日本でもベストセラーになっている。
児島 修(こじま おさむ)
英日翻訳者
1970年生まれ。立命館大学文学部卒業(心理学専攻)。訳書に『成功者がしている100の習慣』『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』(以上、ダイヤモンド社)、『やってのける』『自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義』(以上、大和書房)などがある。