最強の組織とは?「社員の経営者マインド」を育てるための思いきった方法「社長の気持ちは、社長にしかわからない」―― Photo:PIXTA

スターバックスやザ・ボディショップなどでCEOを務めた岩田松雄氏。岩田氏は、人と人のつながりが希薄になるコロナ禍の今、企業にますます重要視されているのが「ミッション」であると説く。岩田氏が語る「最強の組織」をつくるための思い切った方法とは?多くの有名企業で実績を残してきた岩田松雄流の経営哲学を伝授する。

社長というのは
こんなに大変な仕事なのか!

 今も同期たちに会うと冷やかされますが、社会人になって最初に入った日産自動車で、「社長を目指して頑張ります!」と新入社員の挨拶で宣言したことを今でも覚えています。

 企業に入ったのであれば、当然、高い志を持って山の頂を目指すべきだろう、社長になるかどうかよりも、社長を目指して頑張るべきだろう、そのような思いから自然に出てきた言葉でした。

 思えばあのときは、社長というものがどういうものなのか、どのような仕事をしているのか、まったくわかっていませんでした。

 その20年後、ゲーム開発会社、アトラスの社長になりましたが、43歳で実際に初めて社長になったとき、「社長というのはこんなに大変な仕事なのか!」と思わずため息をつきました。実際に社長を経験するまでは、やはりその大変さはわからなかったのです。一方で私は、社長の仕事に「大きなやりがい」も感じました。

 今までに3つの会社の社長を経験して思うのは、「もし再び組織に属する人間になるのであれば、もう社長しかできない」ということです。そのくらい、会社を経営するということは魅力的な仕事だったのです。

 社内の営業や人事、商品開発などあらゆる情報が集まってきます。会社を代表して外部の人と接し、そこから情報や刺激を受けることもできます。社員のときと見える景色もまったく違います。