中田誠司・大和証券グループ本社社長Photo by Toshiaki Usami

新型コロナウイルスの感染拡大は、人々の投資行動に変化をもたらした。ESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)に関連する投資への関心が高まり、インターネット経由の口座開設が増えている。こうした社会変化に求められる証券会社の役割とは何か。大和証券グループ本社の中田誠司社長に聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 重石岳史)

コロナ禍で増幅された社会課題を人々が意識
個人マネーが貯蓄からSDGsへ流れ始めた

――新型コロナウイルスの感染拡大で事業環境にさまざまな変化が生じたかと思います。足元の状況はいかがでしょうか。

 コロナ以前から「いずれリモートワークが当たり前の時代になるだろう」と考え、実は3年前から基幹システムの刷新を行っていました。2019年12月には全営業員に端末を配り終え、いつでもリモートワークにできる体制を整えることができていました。