プルデンシャル生命保険で「前人未到」の圧倒的な業績を残した「伝説の営業マン」である金沢景敏さん。営業マンになった当初はたいへん苦労しましたが、あることをきっかけに「売ろう」とするのをやめた結果、自然にお客様から次々と「あなたからサービスを買いたい」と連絡が入るようになりました。どうすれば、そのような営業スタイルを作り上げることができるのか? 本連載では、金沢さんの初著作『超★営業思考』を抜粋しながら、その「秘密」をお伝えしてまいります。

超一流の営業マンが、「平常心」を保つためにやっていた“驚くべき習慣”とは?写真はイメージです。Photo: Adobe Stock

日本には1億2000万人いるのだから、
営業マンには「無限のチャンス」がある

 今でも目に焼き付いているワンシーンがあります。

 “駆け出し”の営業マンだった頃、渋谷の繁華街を歩いていたときのことです。

 携帯電話にお客様からの電話が入ったので、慌てて出ると「断り」の連絡でした。あと一歩で契約をお預かりできると思っていたお客様でしたから、ガックリして目の前が真っ暗になりました。

 無数の人々が行き交う、ガヤガヤとした繁華街のど真ん中。僕だけが「世の中」から隔絶されたような、ちょっと耳が遠くなったような、そんな孤独感を感じていました。その瞬間の映像が、今も目に焼き付いて離れないのです。

 でも、そのシーンを忘れられないのは、おそらくショックだったからだけではありません。むしろ、あのとき、繁華街を行き交う無数の人々を見つめながら、ハッとこんなことを思ったことが、自分の中で強烈な印象を残したのだと思います。

「見てみい。世の中にはこんなにもたくさんの人がおるんやぞ。日本だけでも1億2000万人おるんや。いざとなったら、全員に声をかけていったらええねん。落ち込んでる場合か」

 あの瞬間、これ以上落ち込まないように、なんとか「明るい材料」を見つけ出そうとして、思いついたことだったと思います。

 だけど、今でも、これは「真理」だと思っています。営業マンが仕事に困ることはない。世界中に何十億人もの人々が生きているのだから、片っ端から声をかけていけば絶対に活路は見出せるはずだと思うのです。

超一流の営業マンが、「平常心」を保つためにやっていた“驚くべき習慣”とは?金沢景敏(かなざわ・あきとし)
元プルデンシャル生命保険ライフプランナー AthReebo(アスリーボ)株式会社 代表取締役
1979年大阪府出身。京都大学ではアメリカンフットボール部で活躍。大学卒業後、TBS入社。テレビ局の看板で「自分がエラくなった」と勘違いしている自分自身に疑問を感じて、2012年に退職。完全歩合制の世界で自分を試すべく、プルデンシャル生命保険に転職した。当初は、思うように成績を上げられず苦戦を強いられるなか、一冊の本との出会いから、「売ろうとするから、売れない」ことに気づき、営業スタイルを一変させる。
そして、1年目にして個人保険部門で日本一。また3年目には、卓越した生命保険・金融プロフェッショナル組織MDRT(Million Dollar Round Table)の6倍基準である「Top of the Table(TOT)」に到達。最終的には、自ら営業をすることなく「あなたから買いたい」と言われる営業スタイルを確立し、TOT基準の4倍の成績をあげ、個人の営業マンとして伝説的な業績をあげた。
2020年10月、プルデンシャル生命保険を退職。人生トータルでアスリートの生涯価値を最大化し、新たな価値と収益を創出するAthReebo(アスリーボ)株式会社を設立した。著書に『超★営業思考』(ダイヤモンド社)。