偉人たちの、驚きの子ども時代を紹介した楽しい児童書『すごい人ほどぶっとんでいた! オタク偉人伝』著者の小川晶子と、現代の子育ての悩みに寄り添い、17万部のベストセラーとなっている『子育てベスト100――「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』著者の加藤紀子による特別対談が実現! 偉人に学ぶ子育てのヒントとは?(構成:小川晶子)
>対談前回「『エジソンの親』がしていた、子どもを伸ばす3大習慣」はコチラ

「ジョブズの先生」がしていた、才能を伸ばす1つの習慣Photo: Adobe Stock

「盗聴器」を両親の部屋に仕掛けていた!?

加藤紀子(以下、加藤) 『オタク偉人伝』では、スティーブ・ジョブズの子ども時代も取り上げていますね。花まる学習会代表の高濱正伸先生がおっしゃっていたことなのですが、子どもは親の目を盗んでいたずらをするときに、ググッと成長するとか。

『オタク偉人伝』では「ハイテクいたずらオタク」として描かれているジョブズの子ども時代を読んで、そのことを思い出しました。

小川晶子(以下、小川) 本の中では、盗聴器を両親の部屋に仕掛けたり、電波を邪魔する機械をつくって友だちがテレビを見ているところを邪魔して楽しんだりといったいたずらを紹介しています。

 一番大きないたずらは、のちにアップルを一緒につくったスティーブ・ウォズニアックと一緒にやった、電話回線のハッキング。どんどんいたずらのレベルが上がっています。最後のいたずらは犯罪ですが、これがアップルをつくる礎になったようです。

加藤 いたずらって、没頭するじゃないですか。『子育てベスト100』の中でも「没頭させる」という項目で紹介していますが、時間を忘れて深く集中する「フロー体験」は創造力を伸ばします。ポジティブ心理学者のチクセントミハイ教授が調べたところ、創造性あふれる芸術家、科学者、スポーツ選手など、さまざまな世界で活躍する人は例外なく「フロー体験」をしているそうです。

 ただ、没頭と言っても、ゲームや動画にただ夢中になるのではあまり効果がありません。能動的な活動が重要です。そういう意味では、エジソンの話で出てきたように、お膳立てされたものでなくリアリティが必要ですよね(対談前回「『エジソンの親』がしていた、子どもを伸ばす3大習慣」参照)

 あえて不自由をつくるくらいでちょうどいいかもしれません。インターネットを使わずに調べるとか、地図を使わずに出かけるとか。