韓国で120万部のミリオンセラーとなった話題書がある。『どうかご自愛ください ~精神科医が教える「自尊感情」回復レッスン』だ。精神科医である著者が「自尊感情(≒自己肯定感)」の回復法を指南した一冊である。「些細な事を気にしすぎる」「パートナーとの喧嘩が絶えない」「すぐに人と比べて落ち込む」「やる気が出ない」「不安やゆううつ感に悩んでいる」「死にたいと考えてしまう」など、多くの悩みは自尊感情の低下が原因だと本書は伝えている。そして、その回復法を教えてくれる。
本書の日本版が、ついに7月14日に刊行となった。日本でも発売即重版となり、さっそく話題を集めている。今回は、本書の刊行を記念して、その一部を特別に紹介する。

外見や話し方より大切な、なぜか好かれる人がやっている「たった1つ」のことPhoto: Adobe Stock

自分を愛せない人は、誰にも愛されない

 多くの人たちが愛し、愛されるために努力しています。身なりを整え、言葉遣いや行動、中には職場まで変える人もいます。

 しかし、このすべての努力をする前に、まず「自分が自分を愛する」ことが大前提です。それでこそ愛する相手との関係にも集中できるのです。

 自分を愛せない人は、自分のことを考えるべきときには相手のことを考え、相手のことを考えるべきときに自分のことを考えてしまいます。

 たとえば、自尊感情が低い人は、恋愛中も相手のことに集中できません。代わりに自分のダメな性格、外見、心の傷、愛情の欠乏など、足りない部分ばかりが気になります。恋人との恋愛の問題のように見えますが、実際は自分自身の自尊感情の問題なのです。

 このような経験を繰り返したことのある人は、これから少しでも視点を変えてみてください。たとえば、服を選ぶ、美容院に行くといったときにも「どうすれば相手に気に入られるか」と考えるのではなく、「どうしたら自分が心地よいか」を第一に考えるのです。

 それでは自分勝手な人間になりはしないかと心配する人もいるかもしれませんが、大丈夫です。私たちはあまりにも他人の観点から評価されたり、愛されることに慣れ過ぎています。これからは自分におおらかになり、主体的になるべきです。

(本原稿は、ユン・ホンギュン著、岡崎暢子訳『どうかご自愛ください』からの抜粋です)

ユン・ホンギュン
自尊感情専門家、ユン・ホンギュン精神健康医学科医院院長
中央大学校医科大学を卒業し、同大学医科大学院で博士課程を修了。京郷新聞、韓国日報、月刊生老病死などへの寄稿のほか、FMラジオ交通放送「耳で聞く処方箋」などの相談医としても活躍。韓国依存精神医学会、韓国賭博問題管理センター、中央大学ゲーム過没入センター、性依存心理治療協会、校内暴力防止のための100人の精神科医師会などで活動。主に関心を寄せている分野は「自尊感情」と「依存」。初の著書『どうかご自愛ください ~精神科医が教える「自尊感情」回復レッスン』が韓国で120万部のミリオンセラーに。