東証再編#16Photo:PIXTA

東証の市場再編を受けて、プロ投資家向けの「東京プロマーケット」に熱い視線が注がれている。業界内では、新規上場企業数は今年、過去最大になると予想されている。特集『東証再編 664社に迫る大淘汰』(全25回)の#16では、これまで見向きもされなかった市場がなぜ注目されるのかを探った。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)

プロ投資家向けで流動性低い
“マイナー市場”が注目される訳

「今年、東京プロマーケットへの新規上場は前年の2倍以上、20~30社に上るだろう」

 こう話すのはフィリップ証券の脇本源一常務執行役員だ。TOKYO PRO Market(東京プロマーケット〈TPM〉)は金融機関などの「特定投資家」、いわゆるプロ投資家が売買する市場で、2012年にスタートした。8月末時点で上場企業は49社。フィリップ証券は、上場を目指す企業に助言・指導するJ-Adviserの最大手だ。

 TPMの年間新規上場企業数は長らく1桁で推移していた。それはそもそも知名度が低いことに加え、市場に参加できる投資家がプロに限定されており、流動性が極端に低いからだ。

 ところがそんな“マイナー市場”であるTPMへ、市場再編をきっかけに熱い視線が注がれている。