国内では希少な自動化技術で固定客を獲得 リーマンショック後の勝負手が功を奏す

――産業用自動化設備のエンジニアリングを手がけているそうですね。

青栁 自動車や食品、飲料、医薬品、文房具など、大手メーカーの製造設備を設計することが多いですね。他にも、半導体工場をクリーンルームにする設備や、バイオマスプラントの監視システムなども手がけています。

 取引先企業は累計300社以上。実は営業はあまりしていません。8~9割はホームページからのお問い合わせをきっかけに、取引が始まっています。

――それだけ引き合いがある理由とは?

青栁 ドイツ・シーメンスのPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラー)を用いた設計ができるからです。

 PLCとは、工場などの設備を自動で動かすために必要なコントローラーのことです。このPLCは、国内外のさまざまなメーカーが作っているのですが、メーカーによって命令言語が違うため、それぞれの言語に習熟しないと設計ができません。

 日本では、シーメンスのPLCで設計できる会社がとても少ないのです。

――なぜでしょうか?

青栁 関連機器がすべて海外で作られていて、国内メーカーのPLCと比べ、取り寄せるのに時間やお金がかかります。マニュアルも一部英語なので、あえて海外製品を使おうとはならないのです。現在も日本企業の大半は国内メーカーのPLCを使っていて、シーメンスの国内シェアはわずか3%にすぎません。

国内では希少な自動化技術で固定客を獲得 リーマンショック後の勝負手が功を奏す代表取締役・青栁孝幸氏。1970年、福岡県生まれ。神奈川大学工学部卒業後、設備設計会社を経て、2001年に独立し、ティーケーエンジニアリングを設立。06年にPRO-SEEDを創業。

――そこを御社はあえて取り組んだ、と。

青栁 シーメンスのPLCは、グローバルでは40%ものシェアを持っています。日本企業の海外進出が進めば、必ず需要が生まれるはず。そこで「他社に先んじて取り組もう」と2008年頃から挑戦しました。

 世界的な大企業であるシーメンスとパートナーシップを結んでもらうために、まず、滋賀県下の企業200社に電話をかけ、シーメンス製品のニーズを自主的に調査。そのリストをシーメンスの大阪支社に送りました。すると、「そこまでするなら」と10年にソリューションパートナーに認定され、技術指導を受けることができました。