ひろゆきが語る「陰謀論を信じやすい人の特徴」ベスト1ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

現在、さまざまなメディアで大活躍中のひろゆき氏。全国のベストセラーランキングで続々と1位を獲得し、34万部を突破した著書1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

陰謀論を信じる人とは……

 SNSが普及して誰もが情報発信ができるようになりましたが、メリットばかりではありません。

 デメリットとして有名なのが、フェイクニュースやデマ、陰謀論を信じる人が増えてしまったことでしょう。

 これまで情報を積極的に調べようとしなかった人たちが、受動的にSNSから情報を受け取ってしまうようになりました。つまり、中途半端に知識が増えてしまう。これが非常にタチが悪いのです。

 陰謀論やデマを信じやすい人には、明確な特徴があります。それは、「努力家」というものです。

 努力家の人は、物事をなかなか諦めようとしません。それだけを聞くと、いい特徴のように聞こえるかもしれません。それが落とし穴なのです。

「原因論」が「陰謀論」に変わる

 世の中の物事には、ハッキリとした答えがありません。

 たとえば、ある犯罪が起こったときに、人は「原因」を求めます。しかし、たった1つの明確な理由なんて存在しないことがほとんどです。

 わかりやすいテレビの刑事ドラマや安いミステリー小説なら、犯人の動機は明確に描かれます。しかし、現実は違います。さまざまな要因が絡み合って、時には仕方がないとも言える状況で、犯罪や事件は起こります。

 こういう「答えのないグレーな問題」が、努力家には理解されません。

「結局、誰が悪いの?」
「つまり、何が原因なの?」
「一番の悪者は誰なの?」

 など、わかりやすい「敵」がいないとスッキリしないのです。犯人探しをして、「努力や根性が足りないから彼らは悪いことをしたり間違いを犯すのだ」と信じてやみません。

 努力家は、わかりやすい「敵」を「水戸黄門」のようなヒーローが退治してくれるストーリーを好みます。

 だから、陰謀論に絡め取られます。自分たちの生活や日本の状況がよくないのには、裏側に悪者がいるのだと信じてしまうのです。

陰謀論を信じないためには?

 そこから抜け出すには、2つの方法があります。

 1つは、中途半端にネットを見るくらいなら、一切見ないようにすることです。特に、誰でも投稿ができるSNSやネット掲示板は見ないようにしましょう。

 もう1つの方法は、「ちゃんと最後まで調べる」ということです。

 陰謀論を信じる人は、中途半端に情報を調べるけど、それを反論する材料まで調べきることはしないんですよね。あるいは、陰謀論に反論する人のほうを「敵」だと見なしたりします。

 それがエスカレートしてしまうのが、いわゆる「洗脳」の状態です。

 だから、情報を発信している人が信用できるのか。信用できなさそうなら専門家は何と言っているのか。専門家の間で意見が割れているのなら中間の立ち位置を貫くべきです。

 何も知らない人は無知で幸せです。そして、ちゃんと最後まで調べる人も正しい考えができて幸せです。その中間の、「中途半端にググるだけの人」が実は最も頭が悪い状態です。そうならないように、あなたの情報の見方を気をつけてみてください。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、34万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。