医療崩壊を止めるために絶対やるべき3つのこと、救急医が緊急提言写真はイメージです Photo:PIXTA

医療現場の最前線で命と向き合う救急科専門医・集中治療専門医の筆者から見て、新型コロナウイルスによる医療崩壊を止めるために絶対やるべきことが三つある。それは(1)看護師ら医療従事者の給与アップ、(2)事業継続計画=BCPの徹底、(3)災害時の時限的な規制緩和だ。この三つが重要な理由を緊急提言したい。(名古屋大学大学院医学系研究科救急集中治療医学分野医局長、集中治療専門医、救急科専門医 山本尚範)

コロナ対応の鍵は看護師の確保
それを実現するためにすべきことは?

 8月31日現在、東京都では新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が減ってきている。しかし、この2週間、再び東京の繁華街の滞留人口は増加傾向にあり、新規感染者数の再上昇が懸念される。ワクチン接種が進んでも、この社会はパンデミック(感染症の世界的大流行)の脅威にさらされ続ける恐れがある。経済への影響を緩和するには、医療体制の強靭化は避けて通れない。

 前回の記事『国が都内の全医療機関にコロナ病床確保を要請、「次にすべきこと」を救急医が直訴』において、臨時医療施設を成功させる鍵は看護師の確保にあると述べた。では、どうすればそれが実現するか。