コロナ禍で音楽フェスに冷たい視線、 バックミュージシャンの心の内とは写真はイメージです Photo:PIXTA

夏の風物詩だった野外音楽フェスが、コロナ禍で批判を浴びている。不織布マスクNGを告知してしまったフェスや、密過ぎる映像が拡散したフェス……。仕事でフェスと縁の深いバックミュージシャンたちは、この状況をどう考えているのだろう。(フリーライター 武藤弘樹)

各地で炎上する野外音楽フェス
「不織布マスクNG」「超密で酒盛り」

 音楽好きにとって、夏は野外音楽フェスのシーズンである。ホールやライブハウスでやるような通常のライブやコンサートにない雰囲気が野外音楽フェスにはあって、ファンを魅了している。

 大きなフェスは海外の著名アーティストが多く出演するから、ライトな音楽ファンも足を運びやすく、またお祭り的な雰囲気も強いので、人気のフェスは毎年大変な人出となる。

 コロナ禍に見舞われて大きな痛手を被った業界は多いが、音楽業界もその一つだ。主要な収入源であるライブ・コンサートが3密回避に真っ向から対立するものだったから、各所で開催自粛・中止が相次いだ。

 野外フェスは3密のうち“密閉”は当てはまらないが、やはり人出が多すぎるからダメとする見方が強く、 “4大フェス”と称されるフェスの昨年と今年の開催状況は次の通りだ。

「ROCK IN JAPAN FESTIVAL(ロッキン)」→2年連続中止
「RISING SUN ROCK FESTIVAL(ライジングサン)」→2年連続中止
「FUJI ROCK FESTIVAL(フジロック)」→昨年中止で今年開催
「SUMMER SONIC(サマソニ)」
→今年の名称は限定的に『スーパーソニック』に変更。昨年はオンラインで今年は大阪公演が中止、東京公演が開催予定(9月18、19日)。

 このうち、今年のフジロックが大炎上した。コロナ禍が深刻化する中でけしからん、ということである。このほかにも、「不織布マスクNG」を呼びかけた「GLOBAL ARK 2021」や、参加者の“超”密な様子の画像がネットで出回った「NAMIMONOGATARI2021」など、複数のフェスが炎上している。

 これらの流れをざっとおさらいしたのち、音楽関係の仕事もしている筆者の知人たち、裏方ミュージシャン数人が「コロナ禍で開催されるフェスについて何を感じ、どう思っているか」を紹介したい。