日立#予告Photo:AFLO

リーマンショック後の巨額赤字転落からV字回復を果たした日立製作所は、220兆円規模の経済圏を有する日本最大級の企業グループだ。近年、子会社865社を巻き込んでグループの事業ポートフォリオを大胆に転換、1兆円の利益達成を視野に入れている。かつて総合電機メーカーを名乗っていたパナソニックや東芝に比べて、頭一つ抜けた存在になった。だが、本当の正念場はこれからだ。1兆円規模のM&A(合併・買収)を繰り返したことで巨額減損リスクを抱えている上、中核に据えたデジタル事業でつまずけば、グループの全体戦略が立ち行かなくなってしまう。6月末に、デジタルの切り札「ルマーダ」を立ち上げた小島啓二氏が新社長に就任。新体制の下で、グループ総出の「デジタルシフト」に挑む。特集『日立 最強グループの真贋』では、国内製造業の“最後の砦”、日立グループの真価に迫る。9月13日(月)からスタート。

#1 9月13日(月)配信
日立新社長が目論む「グループ再編」最終形、事業構造改革の次なる一手は?

日立 最強グループの真贋#1Photo:JIJI

 事業のデジタル化にかじを切り、M&A(企業の合併・買収)を繰り返してきた日立製作所の変貌が止まらない。米IT企業の1兆円買収により、デジタルトランスフォーメーション(DX)市場でグローバル大手と戦うための土台ができた。そのタイミングでさっそうと舞台に上がったのが新社長の小島啓二氏だ。日本では負けなしの日立だが、グローバル市場での戦況は決して楽観できない。小島氏が急ぐ、さらなる事業構造改革やグループ再編の中身に迫った。

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#2 9月13日(月)配信
日立本体に吸収した上場子会社で「無慈悲リストラ」、新社長の剛腕にグループ震撼!

日立 最強グループの真贋#2Photo:Yuichiro Chino/gettyimages

 日立製作所は、完全子会社化したばかりの日立ハイテクの主要部門を大幅に縮小する方針を固めた。当該部門の社員は日立本体のDX(デジタルトランスフォーメーション)事業要員として移管される見通しだが、大幅な職務変更を迫られる。日立ハイテクは一時、事業の切り売りも検討された因縁の元・上場子会社だ。最終的には、日立のDX事業とシナジーがあるとの経営判断から、売却方針は見送られて本体へ吸収された経緯がある。日立グループに残れた子会社であっても、弛みない構造改革が待っている――。そして、その構造改革の手綱を握っているのが、小島啓二「新社長」である。日立のグループ統治術の真相に迫った。

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#3 9月14日(火)配信
日立で早くも「次の社長」レース勃発!日本人vs外国人候補による手柄争いの内幕

日立 最強グループの真贋#3Photo:Catherine Falls Commercial/gettyimages

 6月に社長が交代したばかりの日立製作所だが、社内ではさっそく次期社長の候補者がさや当てを繰り広げている。急成長する3部門それぞれのトップを務める社長候補が巨額買収を仕掛けて実績づくりに躍起になっているのだ。日立社内の権力構造に迫る。

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#4 9月14日(火)配信
日立がトヨタ以上に国内製造業「最後の砦」である理由、220兆円グループが反撃の狼煙

日立 最強グループの真贋#4

 日本の産業界では、7大企業グループ(三菱、三井、住友、トヨタ自動車、NTT、ソフトバンク、日立製作所)などが、主要業種に中核企業を持つことで大きな経済圏を築いている。近年、トヨタとNTT、三菱商事とNTTがデジタル分野で提携するなど大企業同士でのタッグが相次いでおり、経済圏がさらに広がる動きが目立つ。220兆円の経済圏を持つ日立グループはどう出るのか。連結子会社865社を有する製造業屈指の日立の反撃が始まった。

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#5 9月15日(水)配信
日立でAI人材4000万円、外国人役員4.6億円でも一般社員は…格差拡大人事の裏側

日立 最強グループの真贋#5Photo:123RF

「ジョブ型」の人事制度への移行が注目された日立製作所だが、実際には、旧来の年功序列的な給与体系が温存されている。だが、そうした一般社員をよそに、DX事業に不可欠なデータサイエンティストには国内でも4000万円の年俸を用意し、人材争奪戦に参加していることが分かった。日本型と欧米型の雇用慣行が混在し、格差が拡大している日立の実態を明らかにする。

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#6 9月15日(水)配信
日立とパナソニック、「IT企業巨額買収」の大博打を徹底検証!脱・製造業に近いのは?

日立 最強グループの真贋#6Photo:Sean Gallup/gettyimages

 日立製作所とパナソニックは今年、北米のIT企業をそれぞれ約1兆円、約7700億円で買収する大ばくちに打って出た。旧来の“ものづくり”から、DX事業への大転換を加速するための決断だが、企業価値が暴騰しているIT企業の買収は減損リスクが付きまとう。日立とパナソニックによる巨額買収の勝算に迫った。

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#7 9月16日(木)配信
日立が驚異の占拠率!電機6社「年収1億円以上」役員ランキング、1位は競合CEO

日立 最強グループの真贋#7Photo:Bloomberg/gettyimages

 コーポレートガバナンスの強化を背景に、経営者が受け取る報酬の“妥当性”が問われる傾向が強まっている。かつて日本の産業界を席巻した「総合電機メーカー」の役員はどの程度の報酬を得ているのか。電機6社(日立製作所、東芝、ソニーグループ、パナソニック、三菱電機、シャープ)の役員報酬を徹底検証したところ、意外な「企業間格差」が浮き彫りになった。

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#8 9月16日(木)配信
日立・東原会長の今だから話せる壮絶な再建秘話、「就任時は“二番底危機”を覚悟」

日立 最強グループの真贋#8Photo by Hideyuki Watanabe

 日立製作所の東原敏昭会長CEO(最高経営責任者)は、日本経済団体連合会前会長の中西宏明氏から社長を引き継いでから7年間、数千億円から1兆円規模の事業の買収・売却を続けて、事業ポートフォリオの変革に注力してきた。東原氏の経営は、川村隆(元・日立会長)―中西体制が敷いたレールの踏襲と社内外から評されることが多いが、そうした評価に対して、東原氏自身は葛藤を覚えていたようだ。後継社長の指名を果たした今だからこそ語れる、壮絶な再建秘話について聞いた。

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#9 9月17日(金)配信
日立化成、日立建機、日立金属…本体に売り飛ばされる「子会社社員の悲痛な叫び」

日立 最強グループの真贋#9Photo:AFLO

 これまで、日立製作所はグループ会社に技術力や人材を提供するなど恩情をかける企業の代表格だった。そのため、グループ会社社員は、日立の手厚い福利厚生などを享受することができた。だが、時代は変わった。DX(デジタルトランスフォーメーション)事業と相性が悪い子会社は容赦なく売却する方針が貫かれた結果、かつて22社あった日立の上場子会社は日立建機残り1社となった。その日立建機でも売却観測は絶えない。激動の時代を生きる日立グループ関係者たちの肉声をお届けする。

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#10 9月17日(金)配信
日立・ソニーvs負け組電機4社の明暗分けた「設備年齢」とは?歴代社長の通信簿も公開

日立 最強グループの真贋#10Photo:Bloomberg/gettyimages

 1990年代まで一世を風靡していた日本の総合電機メーカーは、リーマンショック時に全社が沈没した。だがその後、電機6社(日立製作所、パナソニック、ソニーグループ、東芝、三菱電機、シャープ)の二極化が鮮明になっている。独自指標の「設備年齢」を用いて電機6社の明暗を分けた理由を解説するとともに、歴代経営者の通信簿も大公開する。

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#11 9月18日(土)配信
日立・東芝・三菱電機が海外企業に勝てないのは「東京電力・JRが元凶」といえる理由

日立 最強グループの真贋#11Photo:Bloomberg/gettyimages

 日立製作所や東芝、三菱電機は、DX(デジタルトランスフォーメーション)事業を成長分野に位置づけているが、なかなか事業規模が拡大していない。実は日系企業には、欧米や中国の企業と比べて、DX事業で実績を上げにくく不利な戦いを強いられる特別な事情がある。地政学リスクや経済安全保障の意識の高まりにより、母国の社会インフラにおいてデジタル化の実績をつくることの重要性は増すばかり。日系DX企業のハンディキャップの「深層」に迫る。

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#12 9月19日(日)配信
日立「次期社長の本命」副社長が激白、DXで先行するシーメンスに勝つ方法

日立 最強グループの真贋#12Photo:SOPA Images/gettyimages

 日立製作所の德永俊昭副社長は次期社長候補の大本命と見られており、目下のところ、1兆円で買収したばかりの米IT企業グローバルロジックと日立の間のシナジー発揮に全力を挙げる。德永氏は、工場のデジタル化のソリューションで先行している独シーメンスを評価する一方、「シーメンスと戦って十分に勝ち得る」と自信を見せた。德永氏が考える「勝ち筋」とは。

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Key Visual by Noriyo Shinoda, Kanako Onda

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