医学部&医者2021入試・カネ・最新序列#14Photo:PIXTA

私立大学医学部の6年間の学費はおおよそ3000万円。しかも、偏差値と学費の高さは反比例し、入学が易しい私立大学ほど学費が高い。当然、学費が安い国公立大学の医学部は私立に比べて偏差値が高く狭き門だ。しかし、はなから無理だと諦める必要はない。特集『医学部&医者2021 入試・カネ・最新序列』(全21回)の#14では、手取り年収750万円のサラリーマン家庭が私立大学医学部の高額な学費を支払うためのマネープランをファイナンシャルプランナーが伝授する。(ダイヤモンド編集部 野村聖子)

手取り年収750万円なら
6年間の学費3000万円までは捻出できる

 子どもが医者になりたいと言っているが、学費の安い国公立大学医学部は偏差値60以上でなければ厳しい。今の子どもの学力では難しそうだ。

 そこで、私立大学医学部に目を向けてみると、一番安い大学でも6年間の学費が1800万円を超える。医学部卒業後に規定年数地域医療に従事するなど、進路に縛りがある「地域枠」なら、学費貸与などの制度がある(本特集#10『医学部に資金・学力不足でも入れる裏ワザ!?「同窓会枠」や拡大予定の「地域枠」の狙い方』参照)ようだ。しかし、それを子どもに勧めてみたところ、都市部で働きたいから一般入試で受験したいと言って聞かない。

 わが家は平凡なサラリーマン家庭で、夫の私(50歳)の手取りは年間750万円。もう定年まで昇給の予定はないし、妻は専業主婦だ。上の子をすでに私立大に行かせていて、20年前に買った家のローンもまだ10年以上残っている――。

 このような家庭でも、私立大医学部の高額な学費を工面できるのだろうか。子どもの夢をかなえてやりたいが、自分たちの老後資金まで失い、かえって子どもに迷惑を掛けては本末転倒だ。

 しかし、「はなから無理だと諦めることはない」と話すのは、ファイナンシャルプランナーの高橋成壽氏。6年間の学費が3000万円までなら、手取り年収750万円でも医学部に通わせることは可能だという。平凡なサラリーマン家庭でも私立大医学部の高額な学費を工面する方法を伝授する。