漢方漢方薬は、歴史的に繰り返されてきた、感染症のパンデミック(世界的大流行)を抑え込む薬として、およそ1800年前に生み出された薬(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「漢方薬」というと、ゆっくり体質改善していくマイルドな薬というイメージがあるかもしれません。しかし、実は漢方薬は感染症対策から生まれた薬であり、速効性があるため、急性の感染症に対しても効果を発揮する“最強の切り札”なのです。そこで今回は、サイエンス漢方処方の第一人者である井齋偉矢さんの著書『新型コロナと速効!漢方』(青春出版社)から、自宅療養されているPCR陽性者にとって実際に役立つ漢方処方について抜粋紹介します。

漢方薬は感染症の大流行を抑えるために生み出された薬

 本稿のタイトルを見て、「新型コロナウイルス感染症に漢方薬?急性の感染症は、速効性のある西洋薬じゃないと無理でしょ」「漢方薬でのんびり体質改善している場合じゃないでしょう」そうした思いを抱かれた人も、少なくないでしょう。

 結論を先に申し上げますと、漢方薬は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に終止符を打つための「最強の切り札」だと断言できます。そもそも漢方薬は、歴史的に繰り返されてきた、感染症のパンデミック(世界的大流行)を抑え込む薬として、およそ1800年前に生み出された薬です。

 つまり、1800年もの使用実績があり、その間に何度も、人類の存亡の危機を救ってきました。さらに、意外に知られていませんが、漢方薬の多くには速効性があります。ですから、短期間で進行する急性の感染症に対しても、十分に対応可能なのです。