プルデンシャル生命保険で「前人未到」の圧倒的な業績を残した「伝説の営業マン」である金沢景敏さん。営業マンになった当初はたいへん苦労しましたが、あることをきっかけに「売ろう」とするのをやめた結果、自然にお客様から次々と「あなたからサービスを買いたい」と連絡が入るようになりました。どうすれば、そのような営業スタイルを作り上げることができるのか? 本連載では、金沢さんの初著作『超★営業思考』を抜粋しながら、その「秘密」をお伝えしてまいります。

超一流の営業マンが、「おいしい話」に絶対に近寄らない理由写真はイメージです。Photo: Adobe Stock

「やり方」がわからないときは、
まず成功者のマネをする

 どうやって、経営者とのコネクションをつくるか?

 これが、生命保険の営業マンである僕にとって最大の課題でした。

 ただ、当初、その方法は皆目わかりませんでした。こういうときには、成功している人のマネをするのが早道ですから、僕は、いろいろな企業の経営者とコネクションをつくることに成功している営業マンのやり方から学ぶことにしました。

 彼らには、ひとつの「定石」があります。

 税理士と組むのです。ほとんどの会社には顧問税理士がいて、“お金まわり”の意思決定に関して、社長に対して強い「影響力」をもっています。

 例えば、税理士が「資金繰りや相続対策もかねて保険に入りましょう。ついては、信頼できる営業マンを紹介しますよ」と言えば、多くの社長は「その営業マンから話を聞いてみよう」と考えるはずです。このように、税理士の「影響力」を借りることで、社長とのコネクションをつくっていくわけです(もちろん、営業マンは税理士に紹介料を支払います)。これを、保険業界では「税理士マーケット」というのですが、これは、たしかにきわめて合理的な営業手法だと思います。

 だから、僕は、早速これを試してみました。

 いろいろな税理士に会いに行って、「誰か社長さんを紹介してもらえませんか?」と依頼。実際に紹介していただけたこともありました。だけど、このときに、税理士と組むことに対して、ものすごく大きな違和感を覚えたのです。

超一流の営業マンが、「おいしい話」に絶対に近寄らない理由金沢景敏(かなざわ・あきとし)
元プルデンシャル生命保険ライフプランナー AthReebo(アスリーボ)株式会社 代表取締役
1979年大阪府出身。京都大学ではアメリカンフットボール部で活躍。大学卒業後、TBS入社。テレビ局の看板で「自分がエラくなった」と勘違いしている自分自身に疑問を感じて、2012年に退職。完全歩合制の世界で自分を試すべく、プルデンシャル生命保険に転職した。当初は、思うように成績を上げられず苦戦を強いられるなか、一冊の本との出会いから、「売ろうとするから、売れない」ことに気づき、営業スタイルを一変させる。
そして、1年目にして個人保険部門で日本一。また3年目には、卓越した生命保険・金融プロフェッショナル組織MDRT(Million Dollar Round Table)の6倍基準である「Top of the Table(TOT)」に到達。最終的には、自ら営業をすることなく「あなたから買いたい」と言われる営業スタイルを確立し、TOT基準の4倍の成績をあげ、個人の営業マンとして伝説的な業績をあげた。
2020年10月、プルデンシャル生命保険を退職。人生トータルでアスリートの生涯価値を最大化し、新たな価値と収益を創出するAthReebo(アスリーボ)株式会社を設立した。著書に『超★営業思考』(ダイヤモンド社)。