「引きこもり」本人たちが行政に呼び掛けて、対話の場を設計・実現しようとする試みは、初めてのことなのではないか。

 行政の人たちと引きこもり当事者たち同士が、フラットな関係で対話や交流を楽しもうという“お試しフューチャーセッション”が、11月17日、大阪・天満橋の「エル・おおさか」で行われた。

 セッションを行ったのは、大阪府の雇用対策課雇用就労支援グループの山本恭一総括主査らと、引きこもり本人や経験者でつくる自助グループNPO法人「グローバル・シップスこうべ」(姫路市)代表の森下徹さん。

 一方の大阪府の同セクションは2011年、一旦就職活動を休止してしまったものの、働く意思を持って行動を起こしている若者たちに対し、「レイブル(late bloomerの略)」という新呼称を提唱して、ネット上などで話題になった。「レイブル」を直訳すると「遅咲き」という意味だ。

 この日のセッションのテーマは、「引きこもり者の望む支援とは?」。朝から冷たい雨が降る中、約20人が参加した。

オンラインゲームへの情熱を世のために!
当事者同士でつくられた自助組織が誕生

 冒頭、森下さんから、今回の趣旨を説明。筆者から簡単に「フューチャーセンター」について、「引きこもり問題」での開催事例を挙げながら提起した(「フューチャーセンター」の意味については、当連載第114回を参照)。

 次に、NPO法人「わかもの国際支援協会」(大阪市)の横山泰三代表から協会の設立経緯を説明。同協会は、若者の生きにくさと孤立からくる社会的課題の解決を目指し、ソーシャル・インクルージョンの理念に基づく若者支援、まちづくり支援、テレワーク・ノマドワークの普及推進をを行っているという。