自民党総裁選に出馬した野田聖子幹事長代行  Photo:JIJI自民党総裁選に出馬した野田聖子幹事長代行 Photo:JIJI

9月29日に投開票が迫る自民党総裁選が、いつにない盛り上がりを見せている。4人の候補のうち2人が女性というのも初めてのことだが「高市さんが『全女性の代表』の顔をするのはイヤ、というキャリア女性は多い」と河崎環さんは指摘する。「四度目の正直で出馬できた野田聖子氏の『万馬券感』はすごい。人は多様であり、人生の選択は多様だと身をもって示しているのが彼女」という、その意図とは。(コラムニスト 河崎 環)

宿願の総裁選出馬、見事な「万馬券感」に震えた

 野田聖子氏(以下、敬称略)にとって悲願だった自民党総裁選出馬が、こういう形で実現に漕ぎつけるとは感無量だ。週末のワイドショーで、なぜ野田さんはお世辞にも勝ち目の見えづらい総裁選に固執し続けるんですかねと問われた石原良純が「あの人は(総裁選を)かき回したいんですよ」と看破していたが、その通りだろう。河野太郎、岸田文雄、高市早苗、野田聖子の総裁4候補による討論がテレビやオンラインで行われるたび、野田聖子の放つギラギラの「万馬券感」ときたらすごいものがあって、ちょっと興奮のあまり笑っちゃうくらいだ。

 正直、彼女が今回総裁になるのは、相当難しいと思う。なってくれたら、そりゃあ「政治が最高に面白くなる」けれど。これがラストチャンスだろう、との見解にも、野田聖子は「そうかもね」と素直にうなずく。いいのだ。私が期待しているのは、総裁選という日本の首相を事実上決める大舞台で、野田聖子が生き生きと暴れている姿なのだ。