アップルが、9月に全世界で発売されたiPhone13シリーズの生産を急ぐ。半導体イメージセンサーを供給するソニーの出荷は拡大する見込みだが……アップルは、9月に全世界で発売されたiPhone13シリーズの生産を急ぐ。半導体イメージセンサーを供給するソニーの出荷は拡大する見込みだが…… Photo:Bloomberg/gettyimages、EPA=時事

米アップルのiPhone13シリーズが高級スマートフォン市場で独り勝ちの様相を呈している。部品を供給するソニーグループのCMOSイメージセンサーの出荷増が期待される。だが、その裏で同社の半導体事業は苦戦している。(ダイヤモンド編集部 村井令二)

世界的半導体不足もアップルにはどこ吹く風
iPhone13が高級スマホで独り勝ち

「iPhoneに半導体不足の問題は無縁でしょうね」。米アップルのサプライチェーンに詳しい業界関係者は口をそろえて指摘する。世界的な半導体不足で自動車メーカーが減産に追い込まれていても、最先端の半導体を大量に購入するアップルは半導体メーカーの上客。優先して融通してくれるので、半導体の調達が危ぶまれることはなさそうだ。

 すでに、世界的な半導体ファウンドリー(受託製造業者)サービス大手の台湾TSMCは、新型iPhone向けに回路線幅5ナノメートル(ナノは10億分の1)の最新鋭半導体を潤沢に供給する体制を整えた。アップルは新型iPhoneを「年内に作れるだけ作る」という態勢で高水準の生産に乗り出しているもようだ。

 9月24日から全世界で発売されたiPhone13シリーズは予約注文が好調で、中国市場での人気が伝えられるなど販売拡大の兆しが出てきた。一部で入荷待ちが伝えられているが、販売に期待がかかるのは前年のiPhone12シリーズが、競合する韓国サムスン電子と中国ファーウェイを抑えて好調な売れ行きを見せたためだ。

 ファーウェイは米国政府の制裁強化で、ハイエンド機種を作れない。また、サムスンのハイエンドスマートフォンのギャラクシーS21は、世界市場での販売不振が伝えられ、厳しい状況にある。

 競合2社を尻目にiPhone13だけが売れ行きに好条件が整い、前年モデルに続いてハイエンドスマホで「独り勝ち」の様相を呈している。

 ソニーグループの半導体事業にとってファーウェイは、2020年度前半まで大口顧客だったが、21年度のファーウェイ向けのセンサー出荷は急減。その穴を埋めるためにもアップル向けの出荷拡大は欠かせない。iPhone13シリーズの販売が好調な出足を見せていることは追い風だ。