2020年8月、ANAのエアバスA380型機を使用した遊覧フライトが成田空港発着で実施された 2020年8月、ANAのエアバスA380型機を使用した遊覧フライトが成田空港発着で実施された Photo by Kotaro Toriumi

新型コロナウイルスで自由に旅行に出かけられなくなった現在、飛行機旅行を純粋に楽しむ遊覧フライトを企画する航空会社が増えた。国際線の大幅減便で一時的に使わなくなっている機体を使って、1~4時間近く飛行するケースが多い。
※本稿は、鳥海高太朗著『コロナ後のエアライン』(宝島社)から一部を抜粋・再編集したものです。

抽選の倍率が150倍
航空ファンが集まる

 機体そのものをセールスポイントにして遊覧フライトを行っているケースもある。大型機を活用しての遊覧飛行に力を入れているのが全日本空輸(ANA)である。成田~ホノルル線に2機投入されている総2階建て飛行機エアバスA380型機「FLYING HONU」を活用した遊覧飛行が2020年8月以降、大ヒットになっている。

 ANAのエアバスA380型機は、19年5月に成田~ホノルル線で就航した。ファーストクラス、ビジネスクラス、プレミアムエコノミー、エコノミークラスの4クラス合計で520席という座席数を誇る。

 20年8月22日に初めて遊覧飛行した際には、抽選の倍率が150倍となった。抽選に外れた人や航空ファンが出発の際に成田空港の展望デッキや周辺の飛行機撮影スポットに集まるなど、遊覧飛行では最も注目を集めたフライトとなった。