「内定がある子」「内定がない子」にどう接する?22年卒の子を持つ親の心構え2022年卒の学生の就職活動は、終盤を迎えた。親は子にどんなアドバイスをすればいいのか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

2022年卒の学生の就職活動は、終盤を迎えた。子が内定をいくつか持っている場合、親としてどのように選択をサポートするべきか。またいまだに内定がない場合、どんなアドバイスをすればいいのだろうか。人気企業の採用から育成までを支援し、親向けのセミナー経験も豊富なダイヤモンド・ヒューマンリソースの採用コンサルタント・福重敦士氏が、子の就活を成功させるための親の関わり方について、プロの視点でアドバイスする。

 子の就職活動にどのように関わればいいのか。私はこれまで実際に見てきた経験から、「就」「活」「生」の3つのポイントを外さなければ、お子さんの就職活動は成功すると説明しています。今回はその内容を補完する形で、具体的に22年卒の子の就職活動について、親の向き合い方をお話します。

「まだ内定がない22年卒」が
実力不足とはいえない理由

 22年卒のお子さんがいる家庭の第一のパターンとして、今の段階で内定がない場合、親は何をすべきなのか。それには内定がない原因を理解するのが近道です。

 内定がない原因は多くの場合、子の実力不足や能力不足というよりも、企業説明会に参加する段階で、説明会を聞く業界や企業を広げていなかったからということに尽きます。非常によくあるのが、子が特定の企業にこだわりすぎて、そこしか受けずに玉砕しているパターンです。たとえば大手のテレビ局や出版社、コンサルティングファーム、特定の業界や複数の業界のトップ企業しか受けていないという人が結構います。

 業界トップの大手企業や募集人数の少ない企業を、私は「宝くじ企業」と呼んでいます。内定のない学生は資源配分を間違い、まるで10万円の所持金を全額投じて333枚の宝くじを買っているような状態です。10万円の資金があれば、宝くじを買うにしても3万円で100枚購入し、7万円は旅行や習い事に使うほうがどう考えても賢明ですが、なぜか全部宝くじに賭けてしまう人が後を絶たないのです。

 いや、複数社受けたという人もいるかもしれません。しかし、横のつながりだけを見て競合他社を受けるにとどまっています。