急速に関心高まる「CBDC」とは?普通の通貨との違いを徹底解説Photo:123RF

世界の関心を急速に集めるCBDC

「中央銀行デジタル通貨」という用語に接する機会が格段に増えてきた。英語ではCentral Bank Digital Currencyと表記し、略して「CBDC」と呼ばれる。中央銀行自らがデジタル通貨を発行してはどうか、という提案はかなり以前からなされていたが、CBDCという用語が中央銀行関係者の間で広く使われるようになったのはここ数年である。2016年3月にイングランド銀行のベン・ブロードベント副総裁が「中央銀行とデジタル通貨」と題した講演でCBDCに言及したほか、17年4月には日本銀行の中曽宏副総裁(当時)も情報技術革新と中央銀行の決済システムという文脈の中でCBDCについて触れている。これらの情報発信をきっかけとして、世界の中央銀行が集う国際決済銀行(BIS)においても、18年3月にCBDCに関する報告書が初めて公表され、各国における関心が急速に高まっていった。

 BISが昨年実施したサーベイによれば、アンケートに参加した65中銀のうち8割超がCBDCに関する調査・研究を含めた取り組みに従事していることが明らかとなった。わずか数年間で、これだけ多くの国の中央銀行がCBDCに関する取り組みに従事するとは、誰にも想像できなかったのではないだろうか。