フジテレビ「ノンストップ!」に著者出演で話題の「中学受験 必勝ノート術」。大手塾で算数講師の経験を積んだ後、算数専門のプロ家庭教師として約20年間、2000人以上のお子さんを指導してきた中学受験専門のカリスマ家庭教師・安浪京子先生は、その経験から「ノートをひと目見ると、その子の学力がわかる」と言います。また、タブレットなどを使ったデジタル学習がメインの場合でも、アナログのノートを合わせて使うことで学習効果はさらに高まるそう。
ノートとは、思考を整理して、それを自分や相手(採点者)に伝える練習をするための基本の道具。しかし、子どもはもちろんのこと、保護者ですら、ノートの価値を低く見積もっている方が多いそう。6年生でもノートの書き方を知らない子は多く、その状態のまま、受験勉強に励んで伸び悩んでいる子は多いのです。
本連載では、「ノートの正しい書き方を知らずして、学力は上がらない」と断言する安浪先生が、指導の中で必ず教えるノート術を初公開し、発売即大重版となった話題の新刊『中学受験 必勝ノート術』の中から、一部を抜粋し、ご紹介していきます。(本書をさらに詳しく紹介した動画もチェック!)

【フジテレビ「ノンストップ!」で話題】<br />デジタル学習でも<br />ノートを併用した<br />ほうがいい理由「中学受験必勝ノート術」安浪京子著ダイヤモンド社刊 p59より

タブレット学習全盛時代の「ノート」の意味

 フジテレビ「ノンストップ!」の今回のテーマはデジタル学習でした。タブレット学習をする子どもたちは最近とても増えていますし、うまく使えば効果も高い学習法だと思いますが、特に算数に関しては、タブレットだけですべてを完結させず、ノートなどとハイブリッドで使うほうがよいと私は考えています。

 なぜなら、タブレットは答えが合っているかどうかは瞬時に分かりますが、そこにたどりつくまでの思考過程を書くことができないからです。頭の中の単純な計算で答えが出るうちはまだしも、小学校高学年、中学、高校と内容が高度になるに従い、解答そのものよりも、そこにたどりつくまでの式や考え方が重要になってきます。昨今の中学入試では、解答が間違っていても、解き方が合っていれば部分点をくれるという学校も増えてきています。

 ですから、タブレットは「テキスト」のようなイメージで左に置いて、右にはノートを置き、式や計算をちゃんと書く練習をしたほうがよいと考えます。

 この場合、ノートに書く内容については、基本はアナログのテキストとノートで勉強をする時と変わりません。

・必ずどこの単元の何番の問題をやっているかを頭に書くこと

・その答えにたどりつくまでの式を書くこと。またどれが答えなのかが一目でわかるように、下に線をひくなどしておくこと。

・式だけでなく、筆算が必要な場合は、ぐちゃぐちゃにならないよう、スペースを分ける、あるいは区切るなどすること。

 単純なことですが、この3つは非常に大事です。詳細は、「中学受験 必勝ノート術」に書いておりますので、是非ご参考になさってください。

 中学受験に限らず試験とは「アウトプット」で成果を図るもの。「人が見ても分かりやすくノートに書く」というアウトプットの技術を、なるべく早くに身につけておくことが学力の鍵となることは、タブレット全盛時代でも変わりません。