三井住友 名門「財閥」の野望#14Photo by Kazutoshi Sumitomo

20年前、住友化学は中核分野全てに問題を抱えていたという。そんな中で三井化学との統合が「幻」に終わったわけだが、破談の後、住友化学はどのように自力成長を遂げてきたのか。また、カーボンニュートラルの潮流をどうチャンスに転換しようとしているのか。特集『三井住友 名門「財閥」の野望』(全18回)の#14では、「不作為のロス」撲滅で狙う時価総額向上作戦について、岩田圭一・住友化学社長に聞いた。(ダイヤモンド編集部 新井美江子)

幻に終わった三井化学との統合
「統合協議再開」はあり得るか

――旧住友銀行と三井系の旧さくら銀行が合併したのが今からちょうど20年前の2001年。同じころ、化学業界でも三井と住友の統合協議がされましたが、こちらは「幻」に終わりました。こんなことを今さら聞くのはやぼかもしれないのですが、「三井化学と一緒になっていたら」と思う瞬間はありませんか。

 私は当時、情報電子化学の分科会の委員をやっていましたから、いろいろな検討はしましたけれど。(統合していたら)けっこう立派な会社になっていたんじゃないかなと思います。

――両社は得意分野も違いますし、いい具合に技術的シナジーが出たかもしれないなと思ったりするのですが。

 そうかも分からない(笑)。

――だからといって、さすがに今さらもう一度統合しよう、ということにはならないのでしょうかね。