知られざる「余剰アパレル」問題、社会問題化する前に各社がなすべきこと余剰アパレルという環境問題が深刻化していることは、日本では広く共有されていない(写真はイメージです) Photo:PIXTA

日本からは見えない
余剰アパレル問題の深刻

 21世紀に入り、世界中でアパレル業界の主役が交替した。百貨店や伝統的専門店が凋落し、圧倒的低価格を武器にファストファッションが主流となった。Eコマースも台頭した。

 低価格での大量生産、効率的なロジスティックス、魅力的なプロモーションなど、ファストファッションやEコマースの成功には多くの賛辞が寄せられる。

 しかし、ファストファッションやEコマースが成長するとともに、余剰アパレルという環境問題が深刻化していることは、日本では広く共有されていない。アパレルは生産段階で余剰となるだけでなく、売れ残り商品も余剰となる。また余剰アパレルは、焼却によって廃棄されるが、焼却にはCO2の発生が伴う。

 日本で余剰アパレルが問題視されないのは、余剰アパレルが途上国で処理され、日本から見えないためだ。余剰アパレル問題は、我々から「外部化」されている。