日東駒専&産近甲龍#11Photo:PIXTA

偏差値や就職では難関私立大学に及ばずとも、未来のお客さまである高校生たちの評価はどうか?特集『MARCH・関関同立に下克上なるか!?日東駒専&産近甲龍』(全19回)の#11では、リクルート進学総研の協力を得て、「大学ブランド力ランキング」の13年間の推移から見た「日東駒専」と「産近甲龍」の裏の実力を探る。偏差値序列に比べ、ブランド力の方は激変しているのだ。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)

一般入試の入学者は半分!
大学は偏差値以外の魅力で測られる時代に

「目下、私立大学入学者の半数以上が、総合型選抜(旧AO入試)と学校推薦型選抜(旧推薦入試)で占められることを考えれば、偏差値という指標だけで個々の大学を測ることはできない」。そう語るのは、リクルート進学総研所長の小林浩氏だ。

 その上で、小林氏は「『早慶』や『MARCH』、そして『日東駒専』などのグルーピングは、かつての受験戦争時に予備校が偏差値を軸に行ったもの。今の高校生が個々の大学をどう見ているのか。それを知るためには、既存のグルーピングにとらわれない新たな指標が必要になる」と言う。

 昨今、大学進学を希望する高校生の9割以上が大学のオープンキャンパスに参加する中、「かつての受験生は『大学への入学』が目的だったが、今の高校生は大学卒業後を見据えた進路選択をする傾向が年々強まっている」(同)のだ。

 リクルート進学総研では、高校生を対象とする「進学ブランド力調査」を2008年より実施している(調査対象:関東・東海・関西各エリア〈1都2府14県〉の高校3年生。21年の有効回答数:1万2271人)。

 その初回の13年前と最新調査で各大学への高校生の見方はどう変わったのだろうか?

 実は、順位が固定化されがちな偏差値に比べて、ブランド力の序列は、13年間でかなり変動している。次ページから、調査結果の推移と共に日東駒専・産近甲龍各校の偏差値では測れない“裏の実力”を探る。