カナダのバンクーバーがコロナ禍でも「映像経済」3000億円を確保できたワケ検査体制を理由にロケ地をカナダに移したハリウッド映画はいくつかある。筆者の滞在中にもジェニファー・ロペス主演の「The Mother」の大型ロケに遭遇した(筆者撮影)

カナダ・バンクーバーが
ハリウッド作品の「安全ヘイブン」に

 ウィズコロナの時代、映像プロデューサーにとって「安全」がプロダクション運営の第一課題となりました。もちろん制作コスト管理は従来通り大切な要素の一つですが、それ以上に、安全の考慮が制作地決定における優先課題になっています。

 コロナ禍で安全を担保する対策により、ハリウッド作品の「安全ヘイブン」として注目されている制作地があります。カナダのバンクーバーです。筆者の会社も、海外ユニットを担当しているある映像プロダクションの撮影をバンクーバーで行いました。

 カナダのブリティッシュコロンビア州にあるバンクーバーは、別名「ノースハリウッド」(北のハリウッド)と呼ばれています。本家ハリウッドがある米国カリフォルニアから地理的に近く、英語圏の優秀な俳優やクルー、高度な撮影インフラを有し、映像産業が盛んな街です。

 バンクーバーはコロナ禍においても「映像経済」を保っています。2021年10月6日にVancouver Economic Commission(バンクーバー経済委員会)が発表した報告書によると、同市が20年に映画・テレビ・ポストプロダクション・アニメーションで獲得した制作消費額は34億カナダドル(約3060億円、1カナダドル=90円換算)でした。

 過去最高を記録した19年の41億カナダドル(約3690億円)より、16.6%下落しています。とはいえ、コロナ禍による撮影中断など大きな影響を受けながら、3000億円規模を確保したのは優秀だと筆者は考えます。