東京コロナで東京都心部から人が減ったという事実はない(写真はイメージです) Photo:PIXTA

都心部の人口は
コロナ禍でも減っていない

 9月末、4月に発出された緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置が全都道府県で解除された。感染症が多くなる冬に向け「第6波」の懸念はあるものの、新型コロナウイルスの感染状況は落ち着きを見せはじめている。

 コロナ禍の折、メディアやSNS上で「コロナを回避すべく都市部から郊外や地方に人が逃げ出す」「リモートワークが普及し、地方移住する人が増える」との論調が聞かれたものだ。中には、そうしたことを契機に「不動産市場が大暴落するのではないか」と危惧する声まで散見された。しかし実際のところ、東京都心部から人が減ったという事実はない。

 東京都の住民基本台帳を元に作成した『東京都区部の人口動態調査』(図1)のデータを参考に、東京23区の人口がどのように動いたかを見ていこう。

 2020年1月から2021年9月の間で、人口は約2万人減少した。しかし、その内訳は外国人住民が約5万人のマイナス、日本人住民は約3万人プラスとなっているのが分かる。また、世帯数も同様の傾向にある。