ネスプレッソ、プリンター、ウオーターサーバーにある「もうけ方の共通点」とは?Photo:PIXTA

ビジネスを成功させる上で重要なカギを握るのが、「価格設定」です。前回に続き、実際の企業例を基に、価格設定の勝ちパターンを探っていきましょう。(ネットストラテジー代表取締役 平野敦士カール) 

「価格設定」で成功したパターンを学ぶ

 前回の記事『ソニー損保・GE・マイクロソフト…事業の成否を分ける「価格設定」の鉄則』では、価格設定の際には、その商品自体の代金だけなく、人件費や商品、サービスの利用に伴うハードルなどさまざまな要素を踏まえておく必要があると述べました。

 今回は前回に引き続き、成功企業の「価格設定」のパターンについて、その特徴を整理していきたいと思います。それぞれのパターンを自社のビジネスに適用した場合にはどうなるのか、想像しながら読み進めてみてください。

>>パターン1~4をおさらいする

【パターン5】
変動価格化、オークション化、リバース・オークション化

 需要などに応じて価格を変動させる方法があります。

 例えば、ホテルや航空券は、繁閑によって価格が変動します。最近では宿泊日直前に売れ残ったホテルの客室を格安で販売するサイトも増えました。顧客は安くホテルの部屋を使うことができ、ホテルにとっては空室を出さずに済むというメリットがあります。最新の状況を踏まえて値下げすることができるのは、やはりインターネットのおかげだといえます。

 一般的に知られているのは、上記に挙げた航空券やホテルなどの例ですが、他の業態でも応用が可能です。例えば、レストランで予約数が少ないときにはコースを安くするなど、今後もさまざまな変動価格化の事例が出てくるでしょう。