ひろゆきが「雑談ぎらい」を克服した「ある練習」ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、思考の原点をマジメに語った『1%の努力』は、34万部を超えるベストセラーになっている。
この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

雑談の必要性に目覚めた瞬間

 みなさんは雑談は得意でしょうか。僕は超苦手です。

 中学か高校のときに、それを自覚しました。それまでは面白い話やオチのある話しかやってはいけないような感覚があったのですが、それだけだと世の中は回らないんだなと思い始めたんですよね。

 ほら、どうでもいい人と家まで帰る、とか、同じ時間を過ごす、みたいな時間が増えるじゃないですか。

 そのときに、沈黙で気まずい思いをするくらいなら、雑談をしたほうがいいなと思ったんですよね。そのときに身につけた方法は大人になった今でも役に立っているので、それについて説明しましょう。

面白い話はいらない

 まず、さっきも言ったように、面白い話をしないといけない呪縛から逃れることです。

 それは諦めてしまうのです。別に相手を笑わせることだけが目的ではありませんから。その場がなんとなく明るくなればいいだけです。

 サービス精神がある人や繊細な人は、「つまらないことを言っていると思われないかな……」と不安になるかもしれませんが、そんなことはどうでもいいのです。

「へー」「そうなんだ」というリアクションを受けるだけでもいい。それくらいの気持ちで臨むことが、まずは大切です。

僕が「雑談ぎらい」を克服した方法

 雑談嫌いの僕がやったのが、「独り言の練習」でした。

「目の前にあるものを、見たままにしゃべる」という練習です。別に一発ギャグをしたり、雑学を披露する必要はありません。とにかく見たままにしゃべるのです。

「コップに水があるよね。水が今、半分より少し多くくらい入っています。もう一口飲んだら、半分以下になるから、そこで水を注いでまたコップいっぱいにするのか、それとももう最後まで飲み切ってしまうのか。まあ、喉はそんなに渇いてないから、もう注がなくてもいいかもしれない……」

 というように、見たまま思ったことを口に出します。

 じつは、雑談はこれで十分なのです。隣に人がいたら、何か相槌をしてくれたり、他の話をしはじめたりするでしょう。

「そういえば、水で思い出したんだけど……」と言って。

 それで十分なのです。大事なのは、別にオチも何もなくても話し始める「ちょっとした勇気」です。

 これを覚えてから以降、僕は目に見えたものから話を始めるようにしています。「へー」というリアクションだけで終わっても、別になんとも思いません。

 雑談に関する本を読んでる人は、ここの前提がズレているのだと思います。初対面からいきなり豆知識を披露されるほうが、しんどくないですかね。僕はそう思うのですが、みなさんはいかがでしょうか?

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、34万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。