入社3年目のこと。40歳をちょっと過ぎるまでに株式投資で生涯賃金2億円を稼ぐことを決意した。でも、投資はまったくの素人だった。そこで、サラリーマンとして忙しく働きながら、株式投資の入門書を買って勉強するところから始めた。最初は短期売買を繰り返して失敗したが、より落ち着いて取引できる中長期投資に方向転換したところ、“勝ちパターン”が見つかった。どんどん資産を増やし、当初の計画前倒しで資産2億円達成!『10万円から始める! 割安成長株で2億円』の著者・弐億貯男が、すべての会社員におすすめの投資スタイルを手取り足取り伝授する。

【弐億貯男の株式投資で2億円】<br />IPO投資が儲かる4つの理由Photo: Adobe Stock

IPO投資はなぜ儲かるの?

そもそもなぜIPO銘柄への投資が儲かりやすいのか、お話ししましょう。

結論からいうと、上場日以降の株価が、ブックビルディングによって決定した株価(公開価格)よりも高くなることがほとんどだからです。

IPO銘柄を手に入れ、上場日以降売却すれば、その差額が容易に利益として得られます。

その理由は大きく4つあります。

1 成長株であることが多い
IPOをするのは、基本的に増収増益で業績を伸ばしており、成長性が高い会社です。
しかも、証券取引所や証券会社、監査法人などの専門家による審査を経ていますから、「IPO銘柄=成長株」という信頼度が高いのです。
2 仮条件の価格帯が同業他社の上場企業の株価と比べて割安
IPOにあたって幹事証券会社は、公募増資や売り出しによる株式を大量に引き受けるため、株式が売れ残らないように、割安に価格設定する傾向があります。
このため、上場日以降の株価は、ブックビルディングによって決定した株価(公開価格)より高くなりやすいのです。
3 売りたい人より買いたい人のほうが多く株価が上がりやすい
IPOをする会社のほとんどは、株主が創業者や親会社などごく少数に限られます。
そんな大株主は、上場から一定期間の株式売却を制限される「ロックアップ」を契約するケースがあります。
IPOしたばかりなのに、株式の売却益を得ようと大株主から大きな売りが出てしまうと、買い手より売り手が増えて需給バランスが崩れ、株価が大幅に下がるリスクがあるからです。
ロックアップの期間は90~180日、もしくは株式が公開価格の1.5倍を上回ると解除される設定が大半です。
その間、IPOした会社の株式は、上場済みの会社の株式と比べて、株主数も発行済み株式数も少ないため、株式の売り手が少なく買い手が多い状態になるので、株価が上昇しやすくなるのです。
4 投資家の注目が集まって上場日に買いが入りやすい
1から3の事情もあり、IPO銘柄は上場日に買いが集中して株価が吊り上がりやすく、ブックビルディングで手に入れたIPO銘柄は、1株で数十万円~100万円以上の差益をもたらすこともあります。
私が2006年にマネックス証券のブックビルディングで手に入れた「比較.com(現・手間いらず)」(2477)の株式は、上場日に売却するだけで225万円もの差益を得ました。