いよいよ始まる総選挙。実は、選挙と経済学はとても密接な関係があります。この連載を読むだけで、今回の選挙ががぜん面白くなること間違いなし! 『改訂4版 めちゃくちゃわかるよ!経済学』の坪井センセイが、分かりやすく講義してくれます。明日だれかに話したくなる政治と経済のハナシ。

今の政治を見るために、まずはバブルから振り返ってみよう!

―『改訂4版 めちゃくちゃわかるよ!経済学』の制作以来ですね! よろしくお願いします。さっそくですが、今日は総選挙と経済学の関係について教えてほしいのですが。

坪井 はい、よろしくお願いします。
 では、まず大前提から。経済と政治は本当はとても密接な関係があるんだけれど、それは知っているかな?

―恥ずかしながら…。そもそも政治全般で何が起こっているかイマイチ分からないのですが。

坪井 それでは、日本の政党に政治思想と経済思想はあるのか、というところから見ていきましょう。これを語るにはバブルの頃から説明するのがいちばん分かりやすいから、ここから始めます。

―お願いします!

坪井 まずは、バブル経済のおさらいから。

 ご存知の通り、80年代後半の日本は「バブル」だったと言われています。物価上昇率とGDP(国内総生産)成長率のトレンドから大きく外れて、資産価格が跳ね上がっていったことをバブルと呼ぶんだ。
 トレンド線と跳ね上がった線のあいだが「バブル」で、ピークは1989年末。あ、資産というのは消費できる物やサービスではなく、株や不動産のことだよ。ピーク時には、買ったマンションが1年で2倍、3倍に高騰するなんてことが日常茶飯事。日経平均株価は89年12月末に3万8915円! しかし、一般物価は上がっていなかったんだ。

―そんなことが実際に起こるんですね。バブル時代、経験したかった…。そもそも、どうしてバブルは起こったんですか?

坪井 理由はいろいろあるけれど、ざっくり説明しよう。
 85年にプラザ合意(ドル高で苦しんでいるアメリカをドル安にして助けるため、各国の中央銀行が市場に介入した)によって急に円高が進んだんだ。輸出製造業がガンガン輸出してどんどん儲けて成長していた80年代の日本だったけれど、プラザ合意で急に円高(1ドル約250円→150円)になったせいで経済に大打撃を受けた。
 まあ予測どおりになったんだよね。これを円高不況という。

―あちゃー。せっかく調子良かったのに。なんだか悔しいですね。

坪井 不況が予測されたので日本銀行は公定歩合(短期金利)を引き下げた。金利を下げれば、企業は銀行からお金を借りやすくなるよね。そのお金が投資に回ればめぐりめぐって景気が上向くだろう、ということだ。