ゼネコン 地縁・血縁・腐れ縁#15Photo:PIXTA

東京五輪・パラリンピックが終わり、コロナ禍で先行きが見通しにくい中にあっても、再開発ラッシュが期待できる北海道。しかし地元の建設業者は勝ち誇るどころか「草刈り場になる」と絶望的な境地にある。特集『ゼネコン 地縁・血縁・腐れ縁』(全15回)の最終回では、北海道と東北をレポートする。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)

新幹線の札幌延伸と冬季五輪誘致
それでも地元建設業者は勝ち誇れない

 建設業界は東京五輪・パラリンピックに向けた大型開発があふれ返る“春”が終わり、コロナ禍の影響もあって新たに計画される目玉案件が乏しい状況にある。

 そんな中で、北海道には明確なターゲットがある。2030年に北海道新幹線を札幌まで延伸し、そのタイミングで冬季五輪・パラリンピックの招致を狙うというものだ。

 ターゲットに向けて札幌駅前や周辺の老朽化したビルの建て替えなども動きだし、札幌を中心に案件は途切れなく続くとされてきた。

 コロナ禍によってホテルの建設計画が狂ったりしたものの、再び軌道に乗ってきているというのが地元業界関係者たちの感触だ。

 しかし、地元の建設業者はこれを勝ち誇るどころか、「草刈り場になる」と乱暴に言い放つ。