2022年版で17年目の刊行を迎える『和田裕美の営業手帳』。これほど長期間にわたって支持される理由の一つに、手帳内に数多く掲載された著者からのメッセージの存在があります。「月の言葉」「WEEKの言葉」から、巻末の「元気が出る言葉集」まで、いずれのメッセージも前向きに日々を送る人たちの背を押してくれる内容です。
本記事では『和田裕美の営業手帳2022』に新たに掲載された100本近いメッセージから、「成長したいあなたに贈る言葉」「ポジティブに生きるための言葉」を特別に厳選して掲載します。

超ロングセラー手帳の著者が贈る、ポジティブに生きるためのメッセージ和田裕美(わだ・ひろみ)
京都生まれ。ファンづくりセールスの専門家・作家、株式会社HIROWA代表、京都光華女子大学キャリア形成学科客員教授。熊野本宮大社参与。営業力・コミュニケーション力・モチベーションアップのための講演・コンサルティングを国内外で展開している。販売累計220万部超の著書に『世界No.2セールスウーマンの「売れる営業」に変わる本』『稼げる技術』『和田裕美の営業手帳』(以上、ダイヤモンド社)、『人の心を動かす話し方』(廣済堂出版)、『人生を好転させる「新・陽転思考」』(以上、ポプラ社)などがある。外資系教育会社でのフルコミッション営業時代、世界142ヵ国中2位の成績を残し、その後、女性初、最年少の支社長となった実績がある。また、独自の理論を活用して、NHK-Eテレ「芸人先生」や関西テレビ「イチ推しカンパニー SP」に出演、多岐にわたる活動を展開中(毎日配信、登録無料「ワダビジョン」@wadahiromi和田裕美ブログ)。

成長したいあなたに贈る言葉

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 新人営業だった頃「向いてないので辞めたいです」と上司に言うと、「最初から向いてなかったよ」と言われました。がっくりする私にボスは「向いていない部分は君の“伸びしろ”だ。向いていることばかりやっていたら新しいことを学べず成長できないよ」。それから私は苦手なことに出会うとわくわくして取り組めるようになったのです。だってそれは“伸びしろ”だから。

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 オリンピックで金メダルを取れる人は一人です。オーディションで主役に合格する人も、セールスで1位になる人も一人しかいません。そこには勝ち負けが存在します。けれど負けた人が味わう悔しさは明日のバネになり、違うチャンスがめぐってきます。それに、負けた人のおかげで1位が存在するわけなので「負ける価値」だってあるのです。

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 3人分の仕事を2人でやった場合、どうしたら効率がいいかを考える人が出てきて、そこに創意工夫が生まれ、だらだらした空気はなくなり、能率がよくなります。なにもこれは3人分の仕事を一人で抱えろと言っているのではありません。ただ、忙しいときこそ人は成長できるのだと、わかっていてほしいのです。

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「仕事がうまくいかないのは上司の指示が悪いから」「面接に落ちたのは面接官に人を見る目がないから」。こんなふうに嫌なことがあったとき「誰かのせい」にしてしまうと、そこで自分の成長は止まってしまいます。だからこそ「自分はどうしたらいいか?」と考えて自分の行動を変えてほしいのです。そうすれば、世界ははっきり変わります。

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 今、この瞬間が楽しいことが何より大事です。けれど私たちは明日や明後日のこと、もしくは3年後のことを考えてしまいます。「仕事がなくなったら」「達成できなかったら」などと心配して悩むのです。明日の心配は時にリスク回避として大事なときもあるだろうけど、今、楽しむことができるから「なんとかなる」という新しい波がやってくるのです。

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 愚痴ばかり言う人、思い通りにならないと不機嫌になる人たちがいますが、こんな人と一緒にいると心が疲れてしまいますよね。でも、私たちの心が疲れるのは、彼らと一緒にいるときだけではなく、自分の中に「彼ら」がいるときかもしれません。目の前にいる人を鏡だと思って、同じことを自分もやってしまっていないか振り返ってみてください。

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 やってないことが山積みになって、いつしか「もう無理だな」となってしまう前に、「死ぬまでにやりたいことリスト」を書いてみませんか? 時間には限りがあるのです。やってみて気づいたんですが、最初の体験レッスンの申し込みが何よりハードルが高いんです。でも、最初の一歩があれば、どんなことでも動きます。とにかく、小さな一歩でいいから行動を!

ポジティブに生きるための言葉

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 陽転思考はプラスの側面だけを見るポジティブシンキングとは違います。文句を言ってもいい、悲しんでもいい、ネガティブになることを否定しません。マイナスの感情をいったん受け止めて、そこから陽に転じる思考法です。どんなに辛いことでも、必ずそこに気づきがあり、学びがあり、誰かの役に立てる経験となるのです。

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 わくわくする気持ちがあれば未来が明るくなり前に進めます。でも、ちょっとつまずいたりすると不安になり、晴れていた未来に雲が出てしまう。そして立ち止まって迷うのです。でも、覚えておいてください。心配事の79%は起こらないし16%の出来事は準備によって回避できると言われています。たったの5%を心配して目標を諦めるなんてもったいない!

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 病気になったとか、借金が膨らんだとか、あなたが思う「不幸」というものがあります。でも、これらはまだ「完璧な不幸」ではないんです。それを嘆いて、恨んでいると「完璧な不幸」となっていくのです。でも、不幸は小さくすることができます。それは「笑い飛ばす」こと。すると、不幸は突然変異をして「ネタ」になり、生きる力になっていきます!

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「つまんないなぁ」と思うようなシーンに遭遇したときに「この状況をどうやったら楽しめるか?」と考えられれば、思い通りに生きることができます。どんな状況でも「楽しい」を選択できるからです。その上創意工夫も生まれます。私は理不尽な態度で怒っている人を見ると「こんなことで怒れるなんて逆にすごい!」と思って楽しんでいます(もちろん心の中でね(笑))。

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 お笑い芸人さんは「ぶっさいく」「ハゲ」など自らのコンプレックスを最大の武器にして笑いに変えます。私は自分の「ネガティブ」な部分から「和田式陽転思考」を生み出しました。あなたのコンプレックスは何ですか? それは本当に欠点ですか? それは誰かを助けることになりませんか? マイナスはプラスに変換できます。あなたがちょっと勇気を出せば。

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 見上げた星は輝いていて美しい。けれど私たちはその「星」にはなれません。同じように、誰か他の人の輝きを見て、「あの人はいいな」と羨んでも、何も変わらないのです。でも、私たち一人一人だって実はちゃんとした星のひとつ。自分を見つめて自分の内側にある原石を磨いていけば、自分も輝く星のひとつになれるってことを忘れないでください。


 以上、『和田裕美の営業手帳2022』に掲載された、「成長したいあなたに贈る言葉」「ポジティブに生きるための言葉」を抜粋して紹介しました。毎日持ち歩き、ひんぱんに触れる手帳だからこそ、こうしたメッセージが手帳愛用者を勇気づけてくれるのです。次回も「人間関係に悩んだときの言葉」「幸運を呼び込むための言葉」を厳選して紹介します。

(続く)