コロナ禍や自粛生活などの「環境の変化」により、多くの人が将来への不安を抱え、「大きなストレス」を感じている。ストレスを溜め込みすぎると、体調を崩したり、うつなどのメンタル疾患に陥ってしまう。
そんな中、このコロナ禍に22万部を突破したベストセラーストレスフリー超大全』では、著者の精神科医・樺沢紫苑氏は、ストレスフリーに生きる方法を「科学的なファクト」と「今すぐできるToDo」で紹介している。「アドバイスを聞いてラクになった!」「今すべきことがわかった!」と、YouTubeでも大反響を集める樺沢氏。そのストレスフリーの本質に迫る。

精神科医が教える「周りに流されないための考え方」ベスト3Photo: Adobe Stock

「人生の主導権」を握ろう

 自分の人生の主導権を握れるかどうかは、「決断ができるかどうか」が大きく左右します。いい人生を送ったなと思える人は、振り返ってみると、「重要な決断」「人生の決断」をしている人がほとんどです。

 その場では当然、大いに悩み、迷うはずですが、そのときに、どう考えて、どう決断をしたのか。後悔しない人生を送るためのポイントを押さえましょう。

ただの情報不足ではないか

 なぜ、人は決断に迷うのでしょうか。それは情報が足りていないからです。AとBの2つの選択肢がある場合、結果が正確に予測できるのであれば、決断には迷わないでしょう。情報が少なく、結果があいまいなときに、人は迷います。

 迷ったときにとる行動は、「徹底的に情報を集めること」しかありません。

 たとえば、私の元には、「起業しようか迷っています」という相談が非常にたくさん来ます。そのときに、「株式会社の設立方法」「起業した場合の節税メリット」などを聞いてみますが、答えられる人はほとんどいません。基本的な起業の知識がまったくないのですから、決めることができないのは当然です。

「調べるクセ」をつける

 迷ったときは徹底的に調べるクセをつけておきましょう。

 本から情報を集める場合は、「3点読み」が重要です。1つの考えについて「賛成派」「否定派」「中立」の3つの立場の人の本を読んでみることです。

「賛成派」の人の本を3冊読んだところで、結論は「賛成」にしかなりません。起業のメリットとデメリットを押さえて、そこではじめてうまくいく可能性が高まります。「起業して成功した人」だけではなく、「起業して失敗した人」の話も知っておくのが大事です。

 心理学で「確証バイアス」という概念があります。人間には自分に都合のいい情報を無意識に集め、不都合な情報を遠ざける性質があります。それに抗うことで、客観的な判断ができるようになります。

 その練習として、立場の異なる本を読むのは効果的です。立場の異なる人の意見を聞き、多面的に情報を集めることができれば、そこから導かれる判断はより正確なものになっていきます。

 次のステップとして、「人に直接聞く」のがおすすめです。詳しくは『ストレスフリー超大全』に書いていますが、実際に同じ体験をした人の「生の体験談」を聞くことで、イメージはより明確になります。

 身近な人で探してみたり、交流会やセミナーに参加してみましょう。事前に調べた上で話を聞けば、「なんとなく起業したい」なんて言葉は出てこず、もっと具体的につっこんだ話ができることでしょう。それを目指してください。