日中サンマ争奪戦写真はイメージです Photo:PIXTA

サンマの不漁が止まらない。日本の水揚げ量は2019年、20年と2年連続で過去最低を記録しており、21年も同水準にとどまることが確実視されている。価格も高級魚並みに高騰しており、「安くてうまい庶民の魚」とは、もはや言えなくなった。近年の不漁の大きな要因として「中国の乱獲」が指摘されているが、経済発展した中国の「食べる権利」を、むげにはできない。この「日中サンマ争奪戦」において、日本政府は資源管理の国際的な枠組みで、中国を抑え込む戦略だが、果たして…。(フリージャーナリスト 竹谷栄哉)

サンマ漁獲量が
過去最低を記録する惨状

「年々取れなくなって、値段も上がってる。安いからみんな買ってたのに、こんなんじゃ物好きしか買わないよ」――。自民党水産族のベテラン議員はこう嘆く。

 全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま)によると、今年1月~10月末までの水揚げ量は9440トンで、過去最低だった昨年同期と比べて約7割にまで落ち込んだ。各地でも不漁の影響は深刻で、岩手県では同1000トンと昨年同期比4割程度にとどまり、10キロあたりの単価が1.5倍にまで高騰した。

 国内のサンマ漁獲量は1958年の約58万トンをピークに下落し続けており、全さんまによると、20年は2万9566トンで、20分の1にまで激減している。いったいなぜ、日本のサンマはこんなにも減ってしまったのだろうか。