銀行や電力「低成長・独占」産業ばかり高賃金な日本の“貧困”経済が成長するためには、成長牽引型産業の比率が高くなければならない(写真はイメージです) Photo:PIXTA

賃金も成長率も高いのは?
産業に「4つのタイプ」

 岸田文雄政権は「賃上げ政策」を「成長と分配の好循環」実現で前面に置いているが、経済全体の賃金が上昇するためには、賃金が高い産業の成長率が高くなければならない。

 ただし高賃金が参入規制で実現している場合には、経済全体の賃金引き上げに寄与しない。また、成長率が高くても賃金が低ければ、やはり経済全体の賃金引き上げに寄与しない。

 アメリカでは賃金も成長率も高い産業が経済を牽引するが、日本の高賃金産業は参入規制に依存している場合が多い。

 賃金水準はその国の経済がどのような産業、企業で牽引されているかで決まる面がある。岸田賃上げ政策にはこの視点が欠けている。