年収アップには「正攻法」がある!給与大幅アップのオファーを警戒すべき理由Photo:PIXTA

マーケットバリューから外れたオファーには
「何か裏がないか」と警戒すべし

 転職活動で大幅な年収アップのオファーを受ければ内心、大喜びしてしまうのが人情でしょう。しかしマーケットバリューから大きくかけ離れたオファーに関しては、むしろ警戒すべきサインと捉えるべきです。

 以前、当社が紹介した年収500万円の候補者に対し、600万円のオファーが出ました。2割の年収アップになる計算です。しかし内定を受諾する直前のタイミングで突然、この候補者から辞退するとの連絡がありました。

 詳しく話を聞くと「他の人材紹介会社を通じてより条件の良い内定が出ました」とのこと。そちらのオファーはなんと年収1000万円で、ポジションも部長職でした。率直なところ、この方は部長を務めるには経験不足で、1000万円という提示金額もマーケットバリューから大きくかけ離れていました。

 どんな会社がこのオファーを出したのか。社名をうかがうと、社員に過酷な労働を強いてグレーなビジネスを展開する、その業界ではいわゆるブラック企業として知られた会社でした。

「あまり評判の良くない会社ですが、その点は大丈夫ですか」と候補者に確認すると、「だからこそ、やりがいを感じています」と完全に入社モードで、冷静さを欠いている状態でした。年収が倍になると提示されれば、仕方がないのかもしれません。