ジョンソン・エンド・ジョンソンの一貫した取り組みの根底には常に企業理念「我が信条」がある。経営理念を単なる飾りで終わらせない、「人生100年時代」の同社の使命について、メディカル カンパニー プレジデントの玉井孝直氏に話を聞いた。

ジョンソン・エンド・ジョンソン 代表取締役社長
メディカル カンパニー プレジデント
玉井孝直 氏

 約135年前は、医師が傷を治しても、細菌感染で亡くなる人が多かった。そんな中、滅菌済みの包帯や縫合糸を使うべきという、当時としては革新的なアイデアをもって創業されたのがジョンソン・エンド・ジョンソンだ。今では世界最大級のヘルスケアカンパニーに成長。医療現場で使われる医療機器の輸入・製造販売を行うメディカル カンパニーでは、「人々の健康寿命の延伸にどのように貢献できるか」という視点で積極的に活動を行っている。

 その中でも特筆すべき取り組みが、コロナ禍において、昨年10月、全国の20~79歳の男女1万5000人を対象に「健康診断・人間ドック、がん検診に関する意識調査」を実施し、その結果を基に人々に受診を呼び掛ける活動をしたことである。

 この調査では、2021年度に受診を「控えたい」とする人が健康診断、がん検診ともに約30%という結果となった。過去3年間(17~19年)にがん検診を受診したことのある人(40歳以上の男女)でも4人に1人が21年度のがん検診の受診を「控えたい」と考えていることも判明した。

コロナ禍の受診控えに警鐘、早期発見・受診を促す

 健康診断やがん検診の他にも、人々が受診をためらわずに健康を優先してもらえるよう、さまざまな疾患の早期発見や適切な受診を後押しする啓発活動を展開している。

 例えば、10月29日の「世界脳卒中デー」には、脳梗塞を発症した際に一刻も早く適切な対応ができるよう、救急隊員らを対象にした情報提供を行った。